研究課題/領域番号 |
21K15638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
木村 志保子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患研究・開発支援センター, 研究員 (70824184)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 急性脳症 / 脳浮腫 / 神経感染症 / インフルエンザウイルス / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人に多いインフルエンザ脳症(IAE)のうち高度脳浮腫を呈し予後の悪い重症型の病態を解明し治療法を開発するのが本研究の目的である。原因究明のために最も着目したいウイルス感染後数日間の病態は、この病気が超急性の経過をたどり臨床からのアプローチが困難なため、未だ不明である。 そのため、学振特別研究員RPD期間に確立したIAE動物モデルを使用し、ウイルス感染から脳が腫れる数日後までの時間経過を区切って、組織学的・ウイルス学的手法等を駆使し病態を検討する。発症因子を解明できれば、それを臨床に還元し、患者さんの脳や血清での検討を行い、新たな治療法開発につなげる。
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研究実績の概要 |
研究目的2 IAE発症までの空白時間に関与する因子を特定する。 1)IAE動物モデルにおけるウイルス学的検討を行う。脳アストロサイトや血管内皮細胞の変化は、ウイルス投与後時間を経るとともに増強し、出血は48時間から認められた。また48時間以降、脳浮腫がマクロでもミクロでも認められた。特定の場所ではなく、多い場所少ない場所はあるが、ウイルスは脳のあらゆる局所から検出された。特に脳血管内皮細胞では感染後数時間という初期から検出されていた。 2)ウイルスの活動を阻害する物質を用いて、IAE動物モデルの病態変化を検討する。現在抗ウイルス薬等複数の薬剤等を用いて、また投与時間を変えて研究を施行したところ、薬剤効果は投与時間、また薬剤の作用機序により異なることが判明した。 研究目的3 ヒトIAE脳等を用いて発症因子を同定する。 1)IAE 脳を利用し各種omics を用いたIAE 発症因子を同定する。染色において、IAEモデル脳と同様の変化が認められていた。ウイルス蛋白で染色すると、動物脳と同様に脳からウイルス蛋白が検出された。これをもとにIAE動物モデルにおいて、オミックス解析、RNAseq等を利用して発症因子の解明に着手しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
インフルエンザ脳症モデルマウスの作成がほぼ完成していたため、スムーズに次の検討に進むことができた。モデルマウスとヒトとの基本的症状や所見の比較はほぼ終了した。 現在投稿中であり2023年度には業績化したいと考えている。 発症因子の解明についての研究を現在すすめている。
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今後の研究の推進方策 |
順調にすすんでいるため、大きく方向は変えず施行していく予定である。 今年度は研究目的3の発症因子について、すすめていく予定である。
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