研究課題/領域番号 |
21K15747
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
阿部 紀絵 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (90880071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | dementia / neurodegeneration / inflammation / アルツハイマー病 / 認知症 / MMP-9 / 早期診断 / 軽度認知障害 / レビー小体型認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、認知症に対する薬剤の治験で十分な効果を示したものはなく、認知症の早期の診断・介入が求められている。申請者らは、炎症や創傷治癒に関与する蛋白分解酵素である血液中のMMP-9が、代表的な認知症であるアルツハイマー病の病初期において神経変性や認知機能障害を促進することを見出した。 そこで本研究では、認知症におけるMMP-9の関与を詳細に検証するために、既存の大規模データベースや当院の患者から収集したデータを用い、①MMP-9の活性化要因、②認知症におけるMMP-9活性化カスケードに関連する分子の変化、③認知症におけるMMP-9系シグナルと脳構造・脳機能や臨床経過との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
MMP-9はアルツハイマー型認知症(AD)をはじめとする認知症の早期診断バイオマーカーとして注目されている。MMP-9の活性化要因およびMMP-9がADの病態促進機序を解明するため、 まず、ADのリスク遺伝子であるApoEε4のキャリアとノンキャリアの軽度認知障害(MCI)患者において、MMP-9と認知症移行率との関係を調べた。その結果、ApoEε4キャリアでは、血漿のMMP-9濃度と認知症移行率との有意な相関がみられた。ApoEε4ノンキャリアにおいても、両者の相関傾向が認められた。MMP-9が神経変性を促進し出す閾値やタイミングの調整にApoE4に関連した因子が関与している可能性が考えられた。 そこで次に、アルツハイマー病の発症率の性差(男<女)に着目し、ApoE遺伝子多型の他にも、筋肉量、糖脂質代謝、女性ホルモン、内服薬などの因子と血漿MMP-9濃度の経時的変化との関連を解析した。しかし、いずれの因子もMMP-9の経時的な変化との有意な関係は認められなかった。 申請者の異動等の事情により、前向きコホート研究による検証は、十分に実施することができなかった。 以上より、本研究では、MMP-9がApoEεに関連した何らかの因子(X)によりADおよび非AD型の認知症の病態促進に関与している可能性が示されたが、Xを特定することはできなかった。 近年、MMP-9はAD患者の脳内で蓄積する異常蛋白であるtauのプロセッシングや記憶において重要な働きを担う海馬周辺の血液脳関門の障害との関連することが報告されており、今後、更なる研究が期待される。
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