研究課題/領域番号 |
21K15844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
青木 健 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (90819666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アブスコパル効果 / 放射線治療 / 腫瘍抗原特異的CD8陽性細胞 / HER2陽性乳癌 / 腫瘍免疫 / HER2陽性乳癌前臨床モデル |
研究開始時の研究の概要 |
アブスコパル効果は悪性腫瘍への放射線治療で、照射野外の腫瘍が縮小する稀な現象である。細胞性免疫応答が関与するとされるが、機序は完全には解明されておらず、この効果を誘導するための確実な方法はまだない。また、乳癌は放射線治療が治療の柱の一つであるが、乳癌でのアブスコパル効果の研究は進んでいない。 本研究では乳癌に発現することのあるHER2蛋白質に対する抗体を使用することで抗腫瘍免疫を高めて、前臨床モデル動物での乳癌のアブスコパル効果を用いた治療法を確立する。さらに治療経過中にMRIも撮影して腫瘍の変化も把握することで、アブスコパル効果発現時の早期の治療効果指標となる画像所見も明らかにする。
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研究成果の概要 |
アブスコパル効果は放射線治療において照射野外の腫瘍が縮小することである。その治療効果には腫瘍免疫が関与するとされている。本研究ではマウスに植え付けたHER2陽性腫瘍に対して放射線治療と2剤の免疫チェックポイント阻害薬(抗PD1抗体と抗CTLA4抗体)を併用して治療を行うと照射野内だけでなく、照射野外の腫瘍もそれぞれの単独治療よりも抗腫瘍効果が高まることを報告した。そしてその機序には腫瘍抗原特異的CD8 + T細胞が関与している可能性が高いことことを見出した。なお、アブスコパル効果の治療予測指標となる画像所見については有用なMRI所見を得ることはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では腫瘍抗原特異的CD8陽性T細胞がアブスコパル効果の機序に関与している可能性が高いことを報告した。アブスコパル効果は抗原特異的な免疫応答が重要であることの裏付けとなる研究の一つであると考える。HER2陽性乳癌の治療法として、今後さらに研究が進めば放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせも治療方法のオプションの一つとなりうることを示唆した研究であると考える。
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