研究課題/領域番号 |
21K15876
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
赤川 翔平 関西医科大学, 医学部, 講師 (80714881)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 川崎病 / 腸内細菌叢 / dysbiosis / Blautia / Ruminococcus / 16S rRNA遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
川崎病の病因は不明であるが、抑制性の免疫調節機能を有する制御性T細胞(regulatory T cell; Treg)が急性期の川崎病患者の末梢血中で減少していることが報告されている。Tregの分化誘導には腸内細菌が産生する酪酸が必要であり、腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が川崎病発症に関連するのではないかという着想に至った。本研究では、私たちが過去に取り組んだ小児腸内細菌叢の解析手法をもとに、「酪酸産生菌の減少に特徴づけられるdysbiosisが、腸管でのTregの誘導低下による末梢血中のTreg減少を招き、川崎病の罹患感受性を高める」という仮説を明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
川崎病(KD)は小児に多発する原因不明の全身性血管炎である。本研究ではKDの発症に腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が関連しているかを明らかにすることを目的とした。KDに罹患後約1年が経過した児26名と、KD既往のない健康小児57名を対象として、腸内細菌叢を比較した。その結果、KD既往群ではRuminococcus gnavusが多く、Blautiaが少なかった。R. gnavusはアレルギー疾患や自己免疫疾患の発症への関与が指摘されている一方、Blautiaは免疫調節に関与する。このことから、KDの既往を有する児はdysbiosisを来たしており、KD罹患感受性因子である可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
川崎病の病因は未だに不明であり、本研究成果は川崎病の病因解明の一助となると考える。将来的にはプレバイオティクスやプロバイオティクスによるdysbiosisの是正など、新しい川崎病の発症予防法や治療法の開発に繋がる可能性がある。また、本研究成果や研究手法が川崎病だけではなく、他の血管炎や膠原病などの疾患の病因解明にも応用できる可能性が考えられる。
|