研究課題/領域番号 |
21K15949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小山 佳久 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40397667)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 酸化ストレス / 水素 / 活性硫黄 / 神経症状 / 抗酸化物質 / 抗炎症作用 / 精神症状 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎の研究の大半は炎症部位である大腸における炎症症状の緩和や抑制に着目している研究が多い。しかしながら、本疾患は寛解と再燃を繰り返す治療が難しい疾患であり、潰瘍性大腸炎を完治させるには、炎症部位である消化管だけでなく再燃に大きく関与している脳の治療が非常に重要である。我々は大腸炎発症時における脳の変化を詳細に調べることで、精神症状の発症要因を明らかとし、その変化を指標に我々の新規抗酸化剤の大腸炎発症時の脳への有効性を検討する。本研究によって、寛解導入だけでなく寛解を長期に維持できる潰瘍性大腸炎の新規治療薬の開発が期待できる。
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研究成果の概要 |
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に潰瘍やびらんができ、寛解と再燃を繰り返して慢性化する原因不明難治性疾患である。病態に伴う神経症状は再燃の主な要因であるため、腸と脳両方の症状緩和に有効な根治薬の開発が求められる。酸化ストレスが病態に関わるため、抗酸化物質が有効な治療薬となりうる。シリコン(Si)製剤は水と反応して抗酸化物質である水素を大量かつ持続的に発生する。Si製剤が水素と生体内抗酸化物質の活性硫黄による抗酸化及び抗炎症作用を介して潰瘍性大腸炎モデルマウスの下痢などの病態だけでなくストレス対処能力低下などの神経症状も緩和した。Si製剤は寛解と再燃の悪循環を断ち切る有効な治療薬になる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
潰瘍性大腸炎は潰瘍性大腸炎の患者数は国内で22万人以上に上り、世界では日本はアメリカに次いで2番目に多い国となる。原因不明、難治性疾患のため根本治療がないため、治療薬の開発は急を要する。シリコン製剤による治療は生体内を抗酸化物質で常に満たしておくことによって炎症部位も含めた全身をケアするという画期的な抗酸化治療である。また、これまでの報告で水素は副作用がないことから、シリコン製剤は高齢者や妊婦さんなどにも処方できる可能性が高い。それゆえ、シリコン製剤は老若男女全ての患者さんに対応可能な、再燃を抑え寛解を維持できる新たな治療薬候補として潰瘍性大腸炎の治療に貢献できることが期待される。
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