研究課題/領域番号 |
21K16058
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小武家 和博 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座助教 (80805648)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 二次性高血圧症 / アルドステロン産生腫瘍 / 副腎皮質腫瘍 / 原発性アルドステロン症 / 二次性高血圧 / 動脈硬化症 / 細胞増殖 / アルドステロン産生腺腫 / ナトリウムイオンチャネル / 体細胞遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
原発性アルドステロン症の一病型であるアルドステロン産生腺腫の細胞内分子機構の解明・創薬標的因子の同定を目指した研究の中で,ATP1A1変異を副腎皮質由来の細胞株に導入すると,拡散合成および細胞増殖が促進された.このことから,副腎皮質球状帯細胞にATP1A1変異が入ると,細胞増殖が促進され腫瘍形成し,アルドステロン産生腺腫に至るとの仮説に至った.そこで本研究は,原発性アルドステロン症に対する新しい治療戦略の基盤構築を目標に,ATP1A1変異による腫瘍増殖の鍵分子を同定し,その発現を調節した細胞株や動物モデルで機能解析や表現型解析を行う.
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研究成果の概要 |
アルドステロン産生腺腫の原因の一つであるATP依存性Na/Kポンプ遺伝子(ATP1A1)の変異により生じる,細胞増殖および腫瘍形成のメカニズムの解明を目的に研究を行った.生理的濃度の強心配糖体がAPAに発現増加したNa/Kポンプの受容体シグナルを活性化し,APAに至る腫瘍増殖機構を明らかにした.また,APA腫瘍増殖にはビタミンD受容体シグナル活性が必須であり,ビタミンD受容体発現はDNA脱メチル化により調節されていることが示された.また,生理的濃度の強心配糖体の投与やビタミンDの投与あるいは除去はアルドステロン合成には影響を及ぼさなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回明らかになった細胞増殖促進メカニズムは,必要なアルドステロン分泌を抑制することなく,細胞増殖によるアルドステロン過剰分泌,ならびに腫瘍形成を抑制することができると考えられ,正常の生体ホメオスタシスを障害しない新たな創薬につながる可能性がある.また、本研究過程においてATP1A1変異副腎皮質腫瘍モデル細胞株の樹立や,副腎腫瘍細胞の増殖を定量的に評価するメソッドなどの今後の本領域の研究における重要なツールの開発・確立も果たされた.このことは今後の本領域研究の進展に寄与する.
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