研究課題/領域番号 |
21K16099
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
木村 悠 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80895003)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / 熱産生 / インスリン抵抗性 / 心臓-脂肪組織連関 / NAFLD / 心臓エネルギー代謝 / 心不全 / 甲状腺 / 心臓-脂肪連関 |
研究開始時の研究の概要 |
ナトリウム利尿ペプチドは不全心筋より分泌される抗心不全ホルモンとして知られているが、脂肪組織への作用は明らかではない。当施設の先行研究では、循環不全による組織低温環境やインスリン抵抗性をきたす重症心不全、さらには肥満・糖尿病などの病態に対して、このホルモンがこれまで知られていなかった治療効果(熱産生効果・インスリン抵抗性改善)をもたらす可能性がある。本研究は基礎研究と臨床研究の両面からアプローチし、心臓-脂肪連関という新たな病態概念の確立を目的とする。本研究成果は心不全治療の概念を変え、肥満治療という観点や心不全治療へのResponderを見出すことで新たな治療戦略を提示できるものと考える。
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研究成果の概要 |
ナトリウム利尿ペプチド(Natriuretic Peptide: NP)は心房・心室より分泌される抗心不全ホルモンである。一方で近年、インスリン抵抗性改善作用・熱産生作用が明らかになりつつある。本研究では、細胞実験によりNPの熱産生作用を初めて証明した。さらには低温環境下で体温保持効果を示すことも初めて示した。加えて、白色脂肪組織の炎症改善・脂肪滴縮小効果、褐色脂肪組織の改善、さらには脂肪肝の改善によって全身インスリン抵抗性が改善することも示した。これらの研究結果によりNP活性化薬の新たな治療的側面が明らかになった。臨床研究も行い、ヒトでもインスリン抵抗性改善作用を示すことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、様々な抗心不全薬の登場により心不全治療の選択肢は増えてきている。ナトリウム利尿ペプチド(Natriuretic Peptide: NP)活性化薬であるネプリライシン阻害薬もその一角を占めており、心不全予後改善効果が証明されたことで処方機会も増加している。 本研究によって、NPを介した心臓-脂肪-肝臓連関が明らかになったとともに、NP活性化薬が心不全改善効果のみならずインスリン抵抗性病態に対する治療手段になる可能性が示唆された。NPと同じ下流シグナルを持つ抗心不全薬についても引き続き研究を行うことで、心不全病態の更なる解明と治療レスポンダーの究明が望まれる。
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