研究課題/領域番号 |
21K16100
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
鈴鹿 隆保 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (50748225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 関節リウマチ / 動物モデル / 炎症 / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化による心血管イベント発症リスクはスタチン投与後にも残存し、残余リスクの一つとして炎症が注目されている。関節炎が動脈硬化に及ぼす影響を検討することは、動脈硬化進展の残余リスクの解明、新規治療の確立につながる。本研究代表者は、慢性関節炎モデルであるSKGマウスと、動脈硬化モデルであるApoEノックアウトマウスを交配させ、関節炎と動脈硬化を同時に発症するモデルマウス(ApoEノックアウトSKGマウス)を樹立した。本研究課題では、このモデルマウスを用いて、関節炎が動脈硬化に及ぼす影響とその病態を明らかにし、有効な治療法の候補を検索する。
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研究成果の概要 |
慢性関節炎モデルであるSKGマウスと動脈硬化モデルのApoEノックアウトマウスを交配させて両遺伝形質を併せ持つマウスを作製した。このマウスが関節炎と動脈硬化を同時に発症することを確認し,このモデルマウスを使用して関節炎による炎症が動脈硬化に及ぼす影響を検討した。関節炎誘発群は、誘発していない群に比較して、大動脈の動脈硬化面積、大動脈弁輪部の狭窄率、大動脈組織の炎症性サイトカイン遺伝子発現、血清TNF-α、IL-6の濃度有意に上昇していた。一方、血清総コレステロール濃度は両群に差がなかった。以上から、関節炎による炎症が動脈硬化進展に直接影響を及ぼしていることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スタチンによる血中コレステロール値管理により、動脈硬化に起因する心血管リスクは確かに低減された。しかし、スタチン投与後も心血管イベント発症リスクは依然75 %残存しており、その残余リスクの一つとして炎症が注目されている。RA患者は、合併する心血管イベントによる死亡率が高い。RA自体が動脈硬化の独立したリスク因子であり、RAの慢性炎症が動脈硬化進展に寄与する可能性が考えられているが、その病態は明らかではない。関節炎が動脈硬化に及ぼす影響を検討することは、炎症による動脈硬化進展の病態解明、治療法確立につながり、RA患者のみならず多くの動脈硬化患者の生命予後改善に寄与する可能性がある。
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