研究課題/領域番号 |
21K16108
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松山 政史 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30816111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺非結核性抗酸菌症 / 加齢 / Nrf2 / SLPI / 老齢マウス / Mycobacterium avium / RNA-seq / T細胞 / NRF2 / 肺NTM症 / Th1細胞 / 全血液細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肺非結核性抗酸菌(NTM)症の罹患率は世界的に増加傾向にある。肺NTM症は高齢者に多くみられるが、その理由は不明である。申請者らは、抗酸化ストレス因子であるNrf2とTh1細胞がNTM感染に対して防御的に働くことを明らかにしてきた。Nrf2とTh1細胞は加齢に伴い、その機能が低下することが知られている。従って本研究では、肺NTM症における加齢の影響をNrf2、およびTh1細胞の観点から明らかにし、新規標的治療といった臨床応用へ展開するための基盤となる成果を目指す。
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研究成果の概要 |
老齢マウスは若齢マウスと比較してNTMの感染感受性が高いことが明らかにされた。また、感染2カ月後のマウス肺組織で、RNA-seqによる網羅的な遺伝子発現解析を実施した。その結果、老齢マウス肺では若齢マウス肺と比較してSecretory leukocyte peptidase inhibitor (SLPI)の発現が低いことが明らかにされた。SLPIはM. aviumに対して、直接的に抗菌活性を有することが明らかにされ、肺NTM症の感染制御に関わることが示された。また、Nrf2に制御されるSLPIの発現低下が、老齢マウスにおけるM. avium菌の感染感受性亢進の一要因であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺NTM症は高齢者に多くみられ、65歳以上の患者で死亡率が上昇することが報告されているが、その理由は不明であった。我々は、加齢が肺NTM症におよぼす影響の一部を明らかにすることができた。Nrf2に制御されるSLPIの発現低下が、加齢により肺NTM症が悪化する理由の一つであるという事実は、今後の新規治療方法を考慮するのに重要な報告となった。SLPIやNrf2を活性化する薬剤を肺NTM症患者に使用するという可能性は、社会的意義がとても大きい。また、今回の老齢NTM感染マウス肺組織の網羅的遺伝子発現解析の結果は、他の新たなシーズを生み出す可能性も秘めている。
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