研究課題/領域番号 |
21K16154
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 崇 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 訪問研究員 (20823561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 気管支喘息 |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息は日常診療でよくみられるアレルギー疾患の一つである。近年腸管内短鎖脂肪酸が腸管を中心とする全身免疫に影響をあたえていることが示唆されているが、その制御機構は不明である。我々はヒト横断研究を用いた先行研究により、小児喘息発症群では喘息非発症群に比べ、授乳期における糞便中短鎖脂肪酸濃度が低下していることを明らかにした。本結果は授乳期短鎖脂肪酸が気管支喘息の抑制に寄与している可能性を示唆しているが、その詳細な制御機構は明らかでない。本研究ではチリダニ誘発性喘息モデルマウスおよび短鎖脂肪酸受容体欠損マウスを用いたアレルギー性気道炎症における授乳期短鎖脂肪酸の機能解析を目指す。
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研究成果の概要 |
まず授乳期にプロピオン酸に曝露することで仔マウスのアレルギー性気道炎症が抑制されるかどうかを検討した。その結果プロピオン酸を与えたマウスでは気道の好酸球およびCD4+ T細胞の割合が減少した。次に授乳期プロピオン酸がアレルギー性気道炎症に寄与する制御機構を解明するためにGPR41および GPR43欠損マウスを用いた解析を行った。その結果、GPR41欠損マウスはプロピオン酸曝露にかかわらずBALF中の好酸球が同等である一方、GPR43欠損マウスでは、プロピオン酸投与は野生型アレルギー性気道炎症を改善した。 以上より本実験系においてGPR41がプロピオン酸受容体として働くことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では特定の腸内細菌が産生するプロピオン酸がアレルギー性気道炎症を抑制することを明らかにした。本成果は短鎖脂肪酸が腸管内疾患のみならずアレルギー疾患などの腸管外疾患に深く関与していることを示しており、今後腸内細菌や短鎖脂肪酸をターゲットとした気管支喘息を含めたアレルギー疾患に対する新しい治療法の開発に寄与することが期待できる。
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