研究課題/領域番号 |
21K16178
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 晃一 東北大学, 大学病院, 助教 (10845259)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 尿毒素 / 腸腎連関 / フェニル硫酸 / UCARE study / 腸内細菌 / バイマーカー / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性腎臓病(DKD)は末期腎不全に至る最多原疾患である。従ってDKD発症や進行リスクの高い患者の早期発見と積極的治療介入が肝要だが既存マーカーでは十分ではない。腎臓病と腸内環境が密接に関係するという腸腎連関の概念が知られて いる。申請者はDKDの原因物質かつ予後予測マーカーとして腸内細菌由来のフェニル硫酸(PS)を同定しDKDでも腸内環境が病態に影響することを明らかにした。 本研究では長期予後解析や尿検体、新たな大規模コホートを用いた解析による新規DKDバイオマーカーの確立、糖尿病下での腸内細菌叢変化および 血中PS濃度上昇メカニズムの解明、腸内環境への介入による新規DKD治療法の探索する。
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研究成果の概要 |
糖尿病性腎臓病(DKD)の新規マーカーとしてフェニル硫酸(PS)に着目し臨床的有用性を複数の糖尿病患者コホートで示した。第一に血中PS濃度とDKD患者のアルブミン尿(ACR)増悪が示されているUCAREコホート(Nat. Commun. 2019)で、重回帰分析で尿中PS・Cr補正値はACRと有意に相関し微量アルブミン尿期の患者群では尿中PS・Cr補正値は2年後のACRの増悪と有意に相関した。次にThe 2nd Joslin Kidney Studyで2型糖尿病患者の腎症の発症・進展の危険因子を探索した。腎症の進行が遅い群と腎不全発症群の2群を比較しPSは腎不全発症群で有意に高いことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎臓病(DKD)は末期腎不全に至る最も多い原疾患だが、アルブミン尿(ACR)やeGFRといった既存の指標だけでは、どの糖尿病患者がDKDを発症し腎不全に至るリスクが高いかを予測するには不十分である。我々はDKDの新規マーカーとして腸内細菌由来の尿毒素であるフェニル硫酸(PS)に着目し先行研究で血清PSは糖尿病患者のACR増悪を予測することを示しているが、今回の研究で尿中PSもACRの増悪を予測する因子であることを明らかにした。更に別の糖尿病患者コホートでの解析で血中PSが早期にeGFRが低下群で有意に高いことを示した。これらの成果はPSの新規DKDマーカーとしての有用性を示唆する。
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