研究課題/領域番号 |
21K16204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
飯田 忠恒 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80844381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 発汗 / マスト細胞 / 自律神経 / 神経免疫 / 蕁麻疹 / 組織透明化 |
研究開始時の研究の概要 |
蕁麻疹の病型の一つに、発汗刺激により誘発されるコリン性蕁麻疹がある。マスト細胞の異常活性化が原因と推測されるが、従来の治療法では難治な例が多い。また発汗障害の合併もしばしばみられ、患者の生活の質を大きく損なう。本研究では、発汗刺激がマスト細胞を活性化する機序、そして活性化したマスト細胞の発汗への影響について検証する。マスト細胞の状態変化を、3次元イメージングと微量RNA-seqを組み合わせて検出する。さらに、コリン性蕁麻疹や発汗障害患者でのマスト細胞の変化をマウスモデルと比較することで、マスト細胞と発汗機能との相互作用を調べ、新たな治療ターゲットを探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では、発汗障害を伴うコリン性蕁麻疹において、蕁麻疹の原因と考えられるマスト細胞の活性化と、発汗障害との関連について調べた。結果として、マウスを用いたマスト細胞の活性化や除去は、発汗に明らかな影響を及ぼさないことを確認した。その一方で、マクロファージを活性化させると、発汗低下が見られるのと同時に、マスト細胞の活性化に関わる遺伝子の発現が上昇することがわかった。このことから、マスト細胞の発汗障害への影響は限定的である可能性と、マスト細胞が他の免疫細胞の影響を受けて活性化している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コリン性蕁麻疹に対する標準的治療薬である抗ヒスタミン薬は、活性化したマスト細胞の放出するヒスタミンの作用を抑えるものであるが、従来より発汗障害を伴うコリン性蕁麻疹には臨床的に効果が十分でないことが指摘されてきた。本研究により、その理論的裏付けが成され、マスト細胞活性化よりも上流のメカニズムを抑えることが、発汗障害およびコリン性蕁麻疹の治療につながることが示唆された。
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