研究課題/領域番号 |
21K16211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中溝 聡 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30769740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 尋常性乾癬 / 樹状細胞 / マクロファージ / 1細胞RNAシークエンス / 乾癬 / 抗原提示細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの慢性炎症性皮膚疾患では、皮膚内の抗原提示細胞が炎症の方向付け、病態形成に重要である。しかしながら、慢性炎症性皮膚疾患に重要な抗原提示細胞の実体は、未だに明確にされていない。本研究の目的は、アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬における病原性抗原提示細胞を世界に先駆けて同定し、その性質を解明することである。本研究では、抗原提示細胞の同定と性質解析により、皮膚における炎症の病的活性化メカニズムの一端に迫ると同時に、慢性炎症性皮膚疾患治療の新たな治療標的を同定する。
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研究成果の概要 |
フローサイトメトリー解析と1細胞RNAシークエンス解析を組み合わせ、ヒト皮膚樹状細胞をDC1, DC2, DC3, 活性化DCの4つの集団に、マクロファージをCCR1陽性、MARCO陽性、TREM2陽性マクロファージの3つの集団に分類した。活性化DCはアトピー性皮膚炎と乾癬でともに増加しており、皮膚炎に重要なIL-15を産生していた。DC3は乾癬でのみ増加し、乾癬発症に必須のIL-1B と IL-23A を産生していた。これらの結果は、新たに同定された活性化DCやDC3が炎症性皮膚疾患に極めて重要な役割を担っている可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義として、1.細胞RNAシークエンス解析とフローサイトメトリー解析を組み合わせ、皮膚の抗原提示細胞分画を詳細に解析したこと、2.新たに同定された活性化DCとDC3が皮膚炎症に重要な役割を担っている可能性を示したことが挙げられる。これらの知見は、皮膚免疫システムの理解を大きく進展させ、炎症性皮膚疾患の病態解明につながる可能性がある。 社会的な意義としては、この研究成果が新規治療薬開発につながる可能性が考えられる。また、皮膚の免疫システムの理解を深めることで、皮膚がんや感染症などの皮膚疾患への応用も期待できる。
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