研究課題/領域番号 |
21K16217
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
木村 佳貴 帝京大学, 医学部, 助教 (90807843)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 尿酸 / 乾癬 / 炎症 / IL-17 / AMP活性化キナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
乾癬患者では約半数に高尿酸血症の合併が認められるが、高尿酸血症が乾癬の病態に直接作用しているかは明らかでない。尿酸が乾癬の炎症を増悪させることは、細胞レベルでは示唆されてきたが動物モデルでは示されてこなかった。そこで本研究では、尿酸濃度や尿酸代謝の違いが乾癬病変の発症にどのような影響を与えるかを、低尿酸モデルおよび高尿酸モデルの2つのモデルマウスを用い、イミキモド誘導性乾癬モデルにより検討する。さらに尿酸が乾癬に作用するうえで重要な細胞・サイトカイン、信号伝達経路を明らかにする。その結果に基づき、乾癬に対し尿酸が関与する経路をコントロールすることで、乾癬の新規治療法の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
低尿酸モデルマウスでは、イミキモド誘導性乾癬様皮疹の重症度が、臨床的・病理学的評価ともに有意な抑制をみとめ、尿酸が乾癬炎症を亢進させることが示唆された。また低尿酸モデルマウスでは、病変部へのIL-17産生T細胞の浸潤が抑制され、一方リンパ節、脾臓でのIL-17産生T細胞の割合には差が見られなかった。さらに低尿酸マウスでは皮膚でのケモカインの発現の低下がみられ、In vitroでは、ケラチノサイトにおいて、尿酸存在下でケモカイン発現の亢進が見られた。以上から尿酸は表皮におけるケモカイン発現を亢進させ、乾癬炎症に関与していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乾癬に高頻度に合併する高尿酸血症が、表皮のターンオーバーの結果として生じる単なる併存疾患でなく、乾癬病態自体に関与している可能性を示した。乾癬患者における高尿酸血症のコントロールの重要性を示すとともに、尿酸および尿酸が関与する分子をターゲットとする新しい乾癬の治療方法の開発などに有用である。
|