研究課題/領域番号 |
21K16227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小亀 敏明 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00744111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 三次リンパ組織 / B細胞 / 皮膚免疫 / MALT / iSALT / 三次リンパ濾胞構造 / 皮膚局所免疫 / 三次リンパ濾胞 / 三次リンパ濾胞様構造 / 局所免疫 / 皮膚 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚におけるリンパ濾胞が免疫学的機能をもつ可能性を検討する。 腸など粘膜組織では局所免疫に関わる三次リンパ組織が知られているが、我々は皮膚のリンパ濾胞構造が皮膚における三次リンパ組織と考えinducible skin-associated lymphoid tissue(iSALT)と名付けた。 リンパ濾胞構造を持つ皮膚疾患サンプルを1細胞RNAシークエンス解析し、iSALTの構成細胞を網羅的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
公共データをふくめsingle cell RNA-sequence (scRNA-seq)データで、皮膚にB細胞の浸潤が多い疾患(慢性膿皮症など)を解析したところ、J-chain MZB1等の腸管B細胞に特異的な因子を発現したB細胞を同定した。また、それらをリンパ濾胞過形成を伴う皮膚疾患に加え、炎症性皮膚疾患および皮膚腫瘍サンプルにおいて免疫染色にてスクリーニングを行ったところ、腫瘍近傍の反応性リンパ濾胞を含めリンパ濾胞内に確認した。更にアトピー性皮膚炎や円形脱毛症などリンパ濾胞を伴わない疾患でもMZB1陽性細胞の浸潤を認めた。今後これらの細胞についての生理学的意義を検討につなげる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、その浸潤数の少なさから皮膚疾患におけるB細胞の意義はあまり研究されてこなかった。今回、皮膚に腸型のB細胞の同定に成功し、更にそれが複数の皮膚疾患に存在する可能性を示した。今後このB細胞の機能や生理学的意義を明らかにすることで、新規の病態生理の理解や治療への介入の可能性をもっている。また、なぜ腸に分布するはずのB細胞が皮膚に分布するのかという、医学的意義を超えた生物学的な興味深さも持っている。
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