研究課題/領域番号 |
21K16278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 匡央 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (30749479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | neoantigens / TCR-T / single cell / multiple myeloma / Neoantigens / Multiple Myeloma / TCR |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫 (Multiple Myeloma, MM) の完全寛解を目指した新規の治療戦略として、off-the-shelfの配列を用いたドナー由来ネオ抗原特異的TCR-T輸注療法の有効性を提案する。MM細胞株に対する多数のネオ抗原特異的CTLを複数の健常人ドナーより単離・クローニングし、TCRを再構築する系を確立する。取得されたTCRのうち、特に強いネオ抗原ペプチド応答性とMM傷害性を認めたものを用いてTCR-Tを作成し、Xenograftモデルにおいて治療効果を検討する。また、本研究で得られるProof of conceptをもって、患者検体での検証、並びに臨床への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
多発性骨髄腫の代替治療案の一つとして、ネオ抗原を標的とした免疫療法の有効性を免疫不全マウスを用いたXenograftモデルで検討した。ネオ抗原を標的とするTCR遺伝子を健常人由来末梢血より単離取得し、TCR遺伝子発現ベクターを構築し機能評価する一連のプロセスを確立した。恒常的ながん抗原刺激や造血障害により、多発性骨髄腫患者の免疫細胞のみでは、ネオ抗原の同定や免疫チェックポイント阻害剤を含めたネオ抗原を標的とする治療法は困難と予想される。健常人由来T細胞を用いることで、患者特異的な免疫原性の高いネオ抗原を効率的に同定し、ネオ抗原を認識するTCR遺伝子を発現させたTCR-T細胞の有効性を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫は、現在まで多くの治療法が開発されてきたものの、未だに治療抵抗性と高い再発率を有する難治性の血液がんであり、新たな代替治療戦略の開発が期待されている。ネオ抗原を標的とするTCR-T細胞移入療法は、すい臓がんや乳がんで有効性が明らかとなりつつあり、更なる応用が期待されている。私たちの研究により、免疫細胞の数が少ないがん患者によらずに、健常人の末梢血細胞を用いることで、がん患者特異的なネオ抗原を探索することが可能であること、またそこで取得されたTCR遺伝子配列を用いた細胞移入療法は、がん増殖を抑制できることを、多発性骨髄腫のモデルを用いて実験室レベルで証明することができた。
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