研究課題/領域番号 |
21K16320
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
尾鶴 亮 福岡大学, 医学部, 講師 (70763035)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | レプトスピラ / レプトスピラ症 / 脂肪組織 / 脂質代謝 / バイオマーカー / 人獣共通感染症 / 脂質代謝異常症 / アディポカイン |
研究開始時の研究の概要 |
病原細菌レプトスピラが引き起こすレプトスピラ症は、ヒトでは世界で年間100万件以上発生している世界最大の人獣共通感染症の一つである。早期に発見できず重症化すると、致死的なワイル病を発症することがある。そのため、感染早期から検査可能な迅速診断キットの開発が望まれている。本申請者は先行研究において、レプトスピラは経皮感染するとまず脂肪組織の血管内に定着して増殖することを見出した。本研究では、レプトスピラの脂肪組織定着機構をレプトスピラ症バイオマーカーとして利用するため、ヒトの脂肪組織を用いた遺伝子発現解析によって菌の定着因子や宿主の防御因子を同定し、迅速診断キット開発に繋げる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、人獣共通感染症の原因細菌であるレプトスピラが脂肪組織に定着する機構を解明し、新規バイオマーカーを発見することを目指すものである。本研究ではヒト皮下脂肪組織のex vivo感染モデルを確立し、レプトスピラ感染によりヒト脂肪組織から複数のアディポカインが分泌されることを確認した。さらに、マウス由来脂肪前駆細胞株3T3-L1のin vivo感染モデルでは、病原性レプトスピラが脂肪分解を引き起こし、細胞外に放出されたグリセロールを炭素源として利用していることが示唆された。これらの結果は、レプトスピラ症の診断と治療に新たなアプローチを提供する可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、病原細菌レプトスピラが皮下脂肪組織に定着し、そこで増殖するメカニズムを一部解明しました。またこの際に、レプトスピラが脂肪組織に脂肪分解を起こすことも見出しました。この発見は、レプトスピラ症の早期診断に役立つ新たなバイオマーカーの開発に繋がる可能性があります。レプトスピラ症は、軽度の風邪様症状から重篤なワイル病に進行することがあり、早期診断と治療が非常に重要です。この研究は、社会全体にとって感染症対策の向上に寄与し、農業や畜産業の経済的損失を減少させる効果も期待されます。
|