研究課題/領域番号 |
21K16333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
内海 大知 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, プロジェクト研究員 (70880871)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / variant of concern / hACE2 Tg mouse / 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2 / COVID-19 / hACE2 / SARS-CoV-2感染マウスモデル / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
現在,世界的なパンデミックを引き起こしたSARS-CoV-2に対抗する手段が求められている。しかし,現時点でワクチン以外の予防または治療薬,さらには,感染により生じる合併症,免疫反応の異常による全身性合併症を標的とした治療法は未だ確立されていない。本研究では,マウスを用いてSARS-CoV-2感染モデルを樹立し,病態解析により,肺局所と肺局所から全身に伝搬したウイルスによって引き起こされる炎症および免疫応答に関する詳細な解析を行い,SARS-CoV-2に対する治療戦略創出に向けた基盤づくりを目指す。
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研究成果の概要 |
ヒトアンジオテンシン変換酵素2過剰発現(hACE2)マウスを用いて、経気道感染によりSARS-CoV-2(変異株を含む)に高感受性な動物モデルを確立した。本モデルは、急性肺傷害と経日的な体重減少が引き起こり、最終的に脳炎で死亡する。一方、血中の炎症性細胞の増加は認められたがサイトカインストームの様な全身性炎症応答は見られず、ヒトCOVID-19病態を完全に再現していないことから、医薬品評価系として利用することとした。結果、ワクチンの接種、中和抗体や抗ウイルス薬を治療的に投与することで、体重減少や死亡を防ぐことができた。さらに、医薬品候補品やバイオマーカーの探索評価にも有益であることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではヒトACE2を過剰発現するhACE2マウスを用いることで、SARS-CoV-2に高感受性な動物モデルの確立に成功した。本モデルマウスはヒトCOVID-19の病態を完全に再現できてないためその病態解明は難しい。しかし、医薬品候補の効果評価するための試験系として有用である。実際、ワクチン、既存抗ウイルス薬や中和抗体の投与により、感染後の致死を防ぐことを学会や論文をとして報告した。また、共同研究により医薬品候補の評価やバイオマーカー探索にも貢献した。加えて、コロナウイルスが再流行した際、本知見を基に速やかにモデル作成ができ、候補品の安全性評価や薬理試験の系として利用されることが期待される。
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