研究課題/領域番号 |
21K16390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
安田 淳吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90896870)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Lysosome酵素 / ミトコンドリア / オートファジー / 膵癌 / PanIN / 糖脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓癌患者は年々増加しており、予後は依然として不良であり、改善が望まれる。膵臓癌は乏血性の腫瘍であり、血管新生が乏しい。膵臓癌では低酸素、低栄養環境下で増殖可能なようにオートファジーが亢進し、栄養が供給されることが特徴である。膵臓癌におけるオートファジーの活性低下が発癌の一因と考えられており、オートファジーの最終段階であるLysosome酵素に注目し、本研究では、膵臓癌の前癌病変PanINにおいて、Lysosome酵素が糖脂質代謝を介して発癌・進展に関与する機序を解明する。そして、そのLysosome酵素を抑制することで革新的治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
まずGBA酵素活性とタンパク質発現量の評価を行った。膵臓癌細胞株と正常膵管細胞に関してGBA酵素活性を測定し、癌細胞株間での酵素活性の相違が、GBA蛋白発現量との相関を示した。またsiRNA法を用いてGBAをノックダウンし、GBA酵素活性と蛋白発現量が有意な減少を確認GBA酵素活性の大きさにかかわらず、細胞増殖抑制効果を認め、同時にアポトーシス細胞の増加、アポトーシスシグナルの増強を認めた。 膵癌株においてGBAノックダウンによる形態学的評価を行った各細胞株で膨化したミトコンドリアの蓄積が確認され、蛍光顕微鏡下でのミトコンドリアの蓄積と、ライソソーム活性の低下も確認された。、細胞内の活性酸素種(ROS)を評価したところ、細胞内、ミトコンドリア内でのROSの蓄積が確認されミトコンドリアの機能不全が示唆された。ミトコンドリア膜電位をフローサイトメトリーを行い、膜電位の低下を認め、不良ミトコンドリアであることが示された。不良ミトコンドリアの蓄積の原因の評価に、マイトファジー機構を検索した。蛍光顕微鏡においてマイトファジーを評価した。フローサイトメトリーと免疫蛍光染色のいずれでも、GBAノックダウンによりマイトファジー活性が低下していた。その評価のためオートファジー関連蛋白質の発現をウエスタンブロッティングで行ったところ、LC3II蛋白質の蓄積を認めた。マイトファジー阻害材である mdivi-1を用いPDAC細胞株においてアポトーシス細胞を誘導した。mdivi-1単独と比較して、GBAノックダウンとの組み合わせは、マイトファジーを有意に抑制した。
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