研究課題/領域番号 |
21K16435
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
横川 貴美 城西大学, 薬学部, 助教 (00825862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 痔瘻 / クシャーラ・スートラ / アーユルヴェーダ / 伝統医学 / 痔瘻モデル |
研究開始時の研究の概要 |
クシャーラ・スートラ(KS)はインド伝統医学アーユルヴェーダの痔瘻治療糸である。痔瘻は痔の一種で、肛門周辺への膿瘍の形成と皮膚への瘻管の開口を特徴とする。本邦でもKSが一部の病院で採用され効果をあげている一方、作用機序に不明な点が多く、普及までには至っていない。KSの作用機序が明らかとなれば、KSによる痔瘻治療の普及、KSの品質の安定化、作用機序をターゲットにした新規KSの開発などへと応用が可能であり、患者のQOL向上につながる。本研究ではKSが有すると考えられる効果について、抗菌活性試験及び痔瘻モデルラットを用いた病理組織の観察、免疫染色によるタンパクの同定にて解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では痔瘻モデルラットを用い痔瘻治療糸、クシャーラ・スートラ(KS)の作用について評価・検討を行った。KS処置によって炎症マーカーであるIL-6やTNF-αの発現量がわずかに増加していること、瘻管の上皮層が欠損または著しく薄くなる様子が認められた。また、痔瘻の原因菌に対して低濃度での抗菌活性を示さなかった。KSによる瘻管上皮層の欠損や形成阻害が、治療期間の短期化に寄与すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痔瘻は患者QOLを低下させる重大な病気である。痔瘻に対し、KSはこれまでに患者負担の少ない治療法として多くの臨床報告がなされている一方で、基礎研究によるエビデンスが不足しており、優れた治療法としての可能性を持ちながらも普及には至っていない。本研究によりKSによって瘻管上皮層が欠損し、炎症が誘発されることが明らかとなったため、今後はこれらをターゲットにした更なるメカニズムの探求や、薬の開発へと応用が期待される。
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