研究課題/領域番号 |
21K16472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小木曾 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (10804734)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 門脈 / 血流 / 肝切除 / 肝移植 / MRI / 血流解析 / 肝不全 / 過小グラフト症候群 / 肝静脈 / 血流障害 / 数値流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、MRIの新規撮像法と流体解析技術を用いて、ラットおよびヒトの肝移植後・肝切除後の門脈血流変化を解析し可視化・定量化することにより、過小グラフト症候群の機序解明を通して肝臓外科治療の成績向上を目指すものである。本研究では、3次元シネ位相コントラストMRIと流体解析を用いて、ラットおよびヒトの肝移植後・切除後の門脈第2次分枝までの血流変化を経時的かつ詳細に解析することで、門脈血流動態と術後肝再生との関係を検討し、過小グラフト症候群の病態を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、7テスラMRIを用いて肝切除後の門脈力学指標を解析することで過小グラフト症候群の機序解明を目指した。70%および90%肝切除ラットおよびマウスの切除後1週間の門脈血流変化を経時的に解析することが可能であった。さらに、門脈2枝分枝ごとの血流指標と対応する肝区域の容量変化との関連を評価し、肝容量当たり門脈血流量の一時的増加が門脈圧および最終的な再生肝容量と関連することが確認された。いっぽう、一般的に肝切除後には壁せん断応力が上昇するとされるが、門脈枝レベルにおいては壁せん断応力は肝切除後の変化は小さく、正常肝再生の過程においては壁せん断応力がトリガーとはなっていない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝切除後の門脈枝における血流指標変化が非侵襲的かつ客観的に評価出来るようになり、また得られた指標によってその後の肝臓の容量・機能の回復過程が予測できるようになることで、肝切除後および肝移植後の管理が改善し治療成績につながることが期待される。また、本研究の知見をさらに末梢の解析へ展開することにより、類洞レベルにおける血流指標が肝臓の発生や再生へ与える影響の理解に繋がる。これにより、肝臓外科・肝移植医療の成績向上だけではなく、門脈内皮細胞や肝細胞を用いた3次元再生臓器の成熟化技術への応用なども期待される。
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