研究課題/領域番号 |
21K16473
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
南野 佳英 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70714666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 膵切除 / 脂肪肝 / 脂肪酸 / 術後合併症 / バイオマーカー / 膵頭十二指腸切除 / 術後脂肪肝 / 血中脂肪酸 / 質量分析 / 脂質吸収 / 脂質代謝 / 膵外分泌機能不全 / 膵外分泌不全 / メタボローム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、膵頭十二指腸切除(PD)後に生体内で起こる脂質吸収・代謝の変化の詳細を明らかにします。PDの術後には外分泌障害(脂肪吸収障害)が25-65%の割合で起こりますが、実際に様々な脂肪成分のうち、どの脂質の吸収・代謝の変化が起こっているのかは明らかではありません 。本研究では、PDを施行した患者さんの術前および術後1ヶ月、3ヶ月血漿を質量分析計という新しい方法を用いて解析する(網羅的脂質メタボローム解析)ことで、術後の脂質吸収・代謝の変化の詳細を明らかにし、さらにその中から、腫瘍再発や脂肪肝の発症と関連する新たな脂質関連バイオマーカーの探索を試みることを目的としています。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、膵頭十二指腸切除(PD)後に生体内で起こる脂質吸収・代謝の変化の詳細を明らかにすることである。本研究では、PDを施行した患者100例の術前および術後3ヶ月血漿を質量分析計という新しい方法を用いて解析し(網羅的脂質メタボローム解析)、継時的かつ網羅的に脂肪代謝産物の血中濃度の変化を測定した。本研究の網羅的解析の結果、PD前後の検体から16種類 の脂肪酸(9種類の必須脂肪酸、7種類の非必須脂肪酸)を検出し、術後には有意に必須脂肪酸濃度が低下していることが確認された。さらに、術後脂肪肝発症はPD術後の約30%に認められ、脂肪肝発症と必須脂肪酸濃度の間に相関関係が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究以前に実際に脂質吸収・代謝の変化を定性・定量的に評価した報告はなかった。また、術後の外分泌障害に対して実臨床では患者症状に基づいて膵消化酵素補充療法(PEI)を行っているが、PEI治療の目標となる適切かつ客観的な指標は長く不明であった。本研究の結果から、PD術後の外分泌機能障害のバイオマーカーとして必須脂肪酸濃度が有用である可能性が示唆された。
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