研究課題/領域番号 |
21K16482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
小澤 真由美 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (20806393)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 硫黄呼吸 / 大腸癌 / 硫黄関連代謝物 / 硫黄代謝物 / cysteine persulfide |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞の増殖は多くのエネルギーを必要とするが、そのエネルギー産生は効率の悪い解糖系が主とされて、他にもエネルギー産生経路が存在することが疑われる。申請者らは、大腸癌患者の排便時の排ガス成分や大腸癌モデル細胞における代謝物の分析で含硫黄関連物質が増加していたことから、含硫黄代謝物のエネルギー産生経路への関与を考えた。本研究ではこの仮説を検証する第一歩として、上記硫黄関連物質の増加が癌細胞由来であるかどうかを確認するために、大腸癌手術検体の癌部と非癌部の含硫黄代謝物量を液体クロマトグラフィー質量分析計で比較する。
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研究成果の概要 |
癌細胞では硫黄呼吸が亢進している可能性があり、硫黄呼吸に関連する酵素(SQR・CARS2)を過剰発現させた細胞の硫黄代謝物を測定しHSS-Cysと硫化水素の動態を測定した。人体の癌細胞において、通常組織とは異なる硫黄代謝能力が、癌細胞の成長速度と関連している可能性があり、より明確な硫黄代謝物動態を把握するため、癌部と非癌部の硫黄代謝物を比較した。結果,癌組織中では正常組織と比較し硫黄呼吸関連代謝物であるシステインおよび過硫化システイン誘導体の観測レベルが上昇していたことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌組織においては通常の組織と異なる硫黄代謝能力が癌細胞の成長速度と関連している可能性が示唆された。ただし腫瘍の中心部の代謝物は正常粘膜組織と有意な差異が認められなかったなど解明しきれなかった点も多い.本研究者としては今後,腫瘍のもつ不均一性を考慮し,分裂能の高い癌細胞において更に硫黄呼吸経路を解明する必要があると判断し継続的な研究を予定している。この経路が解明されることで,成長速度のコントロールする新規薬剤開発の可能性,また発癌を早期に発見する予防学的研究に繋げられる可能性が高いと考えられる。
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