研究課題/領域番号 |
21K16569
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大網 毅彦 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70527887)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 腸管透過性 / IL-22 / 腸内細菌叢 / 盲腸結紮穿孔モデル / 集中治療 / 敗血症 / Interleukin-22 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症において,バリア機能の低下した腸管上皮細胞や活性化した腸管の免疫担当細胞,バランスの乱れた腸内細菌叢が臓器不全の進行を促進しうる。腸管免疫担当細胞から分泌されるIL-22は腸管上皮の再生を促進し,抗菌ペプチドの産生誘導により腸内細菌叢に好影響を与える。炎症性腸疾患の分野ではIL-22の生体保護的な役割が明らかにされている一方で,敗血症病態でIL-22に注目して腸管恒常性の破綻を検討した研究はない。本研究では,IL-22関連蛋白の機能解析を行う。敗血症病態におけるIL-22の腸管恒常性への関与を解明し,IL-22の制御による敗血症の治療につなげることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
腸管免疫細胞から分泌されるinterleukin (IL)-22は腸管上皮再生を促進し、抗菌ペプチドの産生誘導により腸内細菌叢に影響を与える。本研究では敗血症におけるIL-22の腸管恒常性への関与を解明し、IL-22の制御による敗血症治療につなげることを目的とした。まず、敗血症モデルマウスにおいて血清中および小腸上澄み液のIL-22濃度が上昇していることを確認した。IL-22の制御を企図したIL-22欠損マウスでは腸管透過性や生存率の変化が見られなかった一方で、IL-22の抑制系蛋白であるIL-22 binding protein (BP)欠損マウスでは腸管透過性の亢進と生存率低下を認めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症において、バリア機能の低下した腸管上皮細胞や活性化した腸管免疫担当細胞、バランスの乱れた腸内細菌叢が臓器不全の進行を促進するとされている。本研究ではIL-22の抑制系蛋白であるIL-22 binding protein (BP)が腸管透過性の亢進を介して敗血症の病態において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後腸内細菌叢やサイトカインの解析を進めることにより、IL-22BPの腸管恒常性への関与をさらに明らかにし、敗血症の新たな治療法の開発を目指す。
|