研究課題/領域番号 |
21K16578
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
東郷 好美 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 准教授 (40648622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ecmo / cannula / catheter / 脱血カニューレ / veno-venous ecmo / カニューレ / カニューラ / ECMO / 脱血管 / V-V ECMO / 呼吸不全 / 体外循環 / 体外式膜型人工肺 |
研究開始時の研究の概要 |
重症呼吸不全に対して、体外式膜型人工肺 (ECMO)が用いられることがある。ECMOにて良好な酸素化が得られない場合、再循環を減らすことが有用である。研究代表者は、再循環に影響を与える因子であるカニューレ留置部位を変化させ、酸素化効率を検討し、最良の酸素化が得られるカニューレ留置部位を明らかにした。その際に、カニューレのサイドホールの形状が異なると再循環率に差が生じることが判明した。そこで、本研究では、静脈脱血静脈送血方式ECMOにおけるカニューレの最適なサイドホールの形状を、酸素化の観点から解明することを目的とする。本研究の成果は、重症呼吸不全患者のECMO離脱率が向上することが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、良好な酸素化を得るための最適なカニューレの特性をサイドホールに焦点を当てて明らかにすることである。当該年度は、静脈脱血静脈送血方式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation, V-V ECMO)用カニューレのサイドホールの間隔の違いによる酸素化効率を解明することを目的とした。本研究の成果は、V-V ECMOのための最適なカニューレを選択する指標となり、適切なカニューレの選択が効率的な酸素化につながることによって、重症呼吸不全患者のECMO離脱率が向上することが期待できる。 本年度は、まず、先端から(a)1cm、(b)3cm、(c)5cm間隔でサイドホールを付けたカニューレをそれぞれ作成した。実験は生体模擬回路を用いて実施した。まず、生体模擬回路にブタ血液を流した。その生体模擬回路にECMO回路を組み合わせた。ECMO開始前にブタ血の酸素飽和度を60±5%、二酸化炭素分圧を70±10mmHgに調節した。次に、人工肺へ血液酸素流量比1:1、酸素濃度100%で酸素ガスを流し、ECMOを開始した。ECMO開始後に再循環率、ECMO開始から3分後の酸素分圧を上記(a)~(c)のカニューレにおいて比較した。 結果は、心拍出量を4.5L/min、ECMOポンプ流量を4L/minに設定したときのECMO開始から3分後のブタ血の酸素分圧は(a)327.4±13.9mmHg、(b)305.5±15.9mmHg、(c)316.6±15.6mmHgであった。その際の、再循環率は(a)13.0±1.3%、(b)19.0±1.9%、(c)17.3±1.3%であった。 サイドホールの孔の間隔が短い(a)のカニューレを用いた時に、ブタ血の酸素分圧が最も高くなると仮説を立てていたが、酸素分圧および二酸化炭素分圧に有意差はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでは動物を用いて同様の検討を行っていたが、本研究では模擬回路を用いて検証した。ECMO開始前に、模擬回路内のブタ血液の酸素飽和度を60±5%にした状態で検討を開始する必要があるが、実験当初はその調節に時間を必要とした。また、購入したブタ血が凝固していたり、人工肺が凝固することが繰り返しあった。そのため、実験予定日に必ずしもデータが取れたわけではないが、クエン酸ナトリウムの追加、ストレプトマイシンの投与などによって、血液が凝固することなく実験ができるようになった。おおよそのデータを2023年3月末までに取り終えており、日本人工臓器学会や日本医工学治療学会にて発表をする予定である。また論文も執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
今回はECMOで用いるカニューレのサイドホールの違いにおける酸素化効率を検証したが、今後は、人工肺の形状が異なることによって酸素化に与える影響を検証する。 (a)長方形、(b)縦長円筒形、(c)横長円筒形の人工肺を作製する。その人工肺をECMO回路に組み込み、今回と同様の手順でブタ血液の酸素化の検証を行う。検討手順は、①模擬回路を使用し、ブタ血液の酸素飽和度を60±5%にした状態をつくる。②人工肺へ血液酸素流量比1:1、酸素濃度100%で酸素ガスを流し、ECMOを開始する。③血中酸素飽和度、血中酸素分圧、血中二酸化炭素分圧を測定する。④(a)から(c)の人工肺のうち、どの人工肺において血中酸素飽和度、血中酸素分圧が最も高く、血中二酸化炭素分圧が最も低くなるかを比較し、血中酸素飽和度、血中酸素分圧が最も高く、血中二酸化炭素分圧が最も低い人工肺を酸素化および脱炭酸ガス化効率が最良の人工肺の形状と定義する。この検討は2024年4月から開始する予定である。
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