研究課題/領域番号 |
21K16611
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2022) 愛媛大学 (2021) |
研究代表者 |
尾崎 沙耶 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 専門修練医 (50898799)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | CLIC2 / invasion / metastasis / MMP / brain tumor / 脳腫瘍 / 浸潤 / 血行性転移 / 内皮細胞 / 神経細胞 / マイクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Matrix metalloproteinase (MMP)14の抑制を介して悪性腫瘍の浸潤転移に関与すると考えらえるChloride intracellular channel protein 2 (CLIC2)のMMP14活性抑制ドメインを同定し、安全で新規なMMP14阻害剤開発に向けたプロトタイプとなることを示し、膠芽腫の浸潤抑制剤として使用することを目指す。
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研究成果の概要 |
CLIC2は塩化物イオンチャネルタンパク質ファミリーの一種で、生物学的意義は不明であった。本研究では、ラットを用いたin vivo実験でCLIC2の強制発現が予後を改善させることを示した。また、CLIC2はC6細胞内ではゴルジ体または分泌顆粒に局在して細胞外に分泌され、MMP14に結合しその活性を抑制することでがん細胞の転移浸潤を抑制することを明らかにした。一方で、正常脳組織においては主にマイクログリアに発現し、貪食能を亢進させることを見出した。CLIC2の発現誘導により悪性腫瘍の転移浸潤を抑制することに加え、脳腫瘍におけるマイクログリアでのCLIC2の機能解明を目指して研究を継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん・悪性腫瘍研究の中でCLIC2の機能を扱った原著論文は少ない。その中で、ラットモデルを用いてCLIC2が悪性腫瘍の転移・浸潤を抑えることを見出し、そのメカニズムがMMP14の活性阻害であることを初めて示した。また、同時に腫瘍細胞内のCLIC2と、正常組織内のCLIC2の働きが異なる可能性についても示した。CLIC2由来ペプチドは、MMP14に限局して作用する画期的な新薬候補となるものと期待している。
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