研究課題/領域番号 |
21K16622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2023) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2021-2022) |
研究代表者 |
栢原 智道 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10895478)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脳動脈瘤 / 慢性炎症 / 内弾性板 / マクロファージ / 血管内皮細胞間結合 |
研究開始時の研究の概要 |
くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤は、マクロファージ依存的な脳血管壁の慢性炎症性疾患と理解されている。炎症局面形成において脳血管の内皮細胞間バリアが破綻しマクロファージが血管壁に浸潤することが重要であるが、その詳細な機構は不明である。本研究では、脳動脈瘤の各病態形成時期における血管内皮細胞間結合の微細構造や血管透過性、マクロファージの脳血管壁への浸潤様式について、ヒト由来の標本に加え未破裂脳動脈瘤ないしくも膜下出血を発症するラットモデルを用いて検証する。そして、脳動脈瘤の病態形成過程における慢性炎症局面形成の最初のステップとしての内皮細胞間バリア機能破綻の機構と病態への意義を解明する。
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研究成果の概要 |
脳動脈瘤はマクロファージ依存的な脳血管壁の慢性炎症性疾患と理解されている。本研究計画では、慢性炎症局面の形成にあたり脳血管壁へのマクロファージ浸潤の障壁となる、内弾性板および血管内皮細胞間結合の破綻機構につき検証した。そして、内弾性板が断裂していない病態形成初期において、内弾性板の断裂に繋がると考えられる内弾性板、および周辺の血管壁構成細胞の形態学的変化を同定した。また、内弾性板断裂の誘導機構についても検証を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、内弾性板断裂につながると考えられる初期の形態学的変化を同定した。内弾性板断裂機構の解明は、慢性炎症に関連する個々の分子にアプローチするのではなく、脳動脈瘤病変部における慢性炎症反応の場の形成自体を阻害するという革新的な戦略の開発につながることが期待される。また、慢性炎症局面の形成は脳動脈瘤のみならず多くの疾患に共通の病態制御基盤であり、本研究の進展は炎症性疾患全般の病態形成機構の理解の一助となり得るものと考える。
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