研究課題/領域番号 |
21K16626
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
細尾 久幸 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (20897623)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レドナノックス粒子 / 脳虚血再灌流障害 / レドックスナノ粒子 / 脳梗塞再灌流障害 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞急性期主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法後も、再灌流障害に伴う二次的脳損傷による予後不良患者は少なくない。我々の開発したレドックスナノ粒子を用いた脳虚血再灌流障害に対する、新たな治療法の確立を目指している。よりヒトへの外挿性の高い大型動物(サル)での病態モデルを確立し、本薬剤の有効性の検討および作用機序の解明を行う。また、広範脳梗塞で重篤な後遺症をきたした患者に対する、神経再生医療にも期待が持たれるが、移植細胞の生着率の低さが問題としてある。それを打破するため、レドックスナノ粒子添加の有効性評価と作用機序解明を行い、さらなる再生医療の実用化への一助となることを目指す。
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研究成果の概要 |
サル主幹動脈閉塞モデルを作成し、そのモデルを確立した。バルーンカテーテルを用いて、一過性に中大脳動脈を閉塞させ、3時間の虚血の後再灌流させた。再灌流前にコントロールとして生理食塩水、実薬群としてレドックスナノ粒子を投与した後、再灌流させた。脳梗塞Day7までのMRI、アップルテストによる神経症状等を評価し、レドナノックス群での脳梗塞および脳浮腫サイズの変化を確認し、その縮小効果を確認した。Day7でsacrificeし、免疫染色でのレドックスナノ粒子も、血管内皮細胞、神経細胞、ミクログリア、グリア細胞等への分布が確認できた。引続き、Day28の長期生存例においても解析し、評価を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳主幹動脈閉塞に対する、血栓回収療法は確立された治療となっているが、ペナンブラがあっても必ずしも機能回復が得られるわけではなく、また再灌流障害に伴う脳浮腫や脳梗塞内出血を伴い、予後を悪化させうる。その原因となる活性酸素種の有効な消去剤としてレドックスナノ粒子を開発し、虚血脳に対して、再灌流させる前にカテーテルを用いた直接投与を行いその評価を行った。短期的な虚血脳への分布および神経保護効果が期待された。今後、有効な活性酸素種消去剤の投与方法の確立により、脳虚血再灌流障害を最小限とできれば、さらなる死亡率の低下や、日常生活自立者の増加を期待できる。
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