研究課題/領域番号 |
21K16678
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松村 恵津子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30831854)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | MSC / IL1b / CD121a / Proliferation / 間葉系幹細胞 / 滑膜 / 軟骨再生 / 増殖 / Erk1/2 / IL-1 beta / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究から、関節炎症に伴って発現上昇するIL1bが、MSCの分化能を損なう事なく強力な増殖因子として機能することを示してきた(Matsumura E, et al. Cytotherapy, 2017; 19: 181-193)。しかし、IL1bは非常に強力な炎症性サイトカインであると同時に軟骨細胞に対して軟骨基質産生抑制、軟骨基質分解酵素の発現増強作用が報告されているため、再生医療においてヒトに直接応用することは難しいと考えられた。そこで本研究では、IL1bによる組織破壊作用とMSC増殖促進作用の分子機序を明らかとし、増殖促進作用のみを再生医療に応用可能か検討を行う。
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研究成果の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療を効率的に提供するためには、移植に用いる自家MSCを安全に、且つ十分量供給できるプロトコールを確立することが必須である。しかしながら、患者由来の細胞は増殖性に個人差があるため、移植用細胞の数を常に十分量確保できるとは限らないのが現状である。私たちは、IL1bがMSCの多分化能を損なうことなく強力な増殖因子として作用することを示した。しかしながら、MSCにおけるIL1b受容体陽性細胞分画は約5%程度と低く、未知の情報伝達経路が存在する可能性が示唆された。本研究の最終目標は、IL1bによるMSC増殖の分子機序の解析を行い、組織再生医療への還元を行うことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、MSC特異的に存在するIL1b受容体を介したMSC増殖の新規分子メカニズムの解析を行うものであり、先行研究は存在しない。私たちのこれまでの研究成果から、MSCと炎症性細胞で異なるIL1bに対する細胞応答性が観察される原因として、異なる受容体アイソフォームの発現が考えられたが、このようなIL1b受容体の生理機能は今まで報告されておらず、本研究はIL-1bの新たなバイオロジーの開拓につながると考えている。
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