研究課題/領域番号 |
21K16688
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
池戸 葵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特定研究員 (60834520)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エストロゲン / CAR細胞 / 骨折治癒 / エストロゲン受容体α / 骨髄脂肪細胞 / エストロゲン受容体 / 骨粗鬆症 |
研究開始時の研究の概要 |
エストロゲン欠乏による骨量低下は、閉経後女性のみならず思春期女性やアスリートにおいても問題視されており、骨折や疲労骨折の治癒遷延の大きな原因の一つとなっている。骨折修復部では、間葉系間質細胞が増殖し骨芽細胞へ分化していくことから、間葉系間質細胞であるCAR細胞に着目した。中でもCAR細胞は、骨折修復への寄与率が高く、ERα発現量が高い。しかし、エストロゲンによる制御機構は全く不明である。以上のことから本申請では、CAR細胞による骨恒常性維持と骨折治癒制御機構に対するエストロゲンの作用メカニズムを解明し、その標的遺伝子を同定する。
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研究成果の概要 |
本研究では、骨折修復への寄与率が高く、エストロゲン受容体α (ERα) の発現量が高い、骨髄間葉系幹細胞であるCxcl12abundantreticular cells (CAR細胞) に着目し、骨折治癒制御に対するエストロゲン作用を明らかにすることを目的とした。まず、CAR細胞特異的ERα欠損マウス (cKO) を作出し、骨折治癒過程を観察したが、骨折後10日および14日の仮骨形成量に群間差を認めなかった。他方で、23週齢の無処置で採取した脛骨及び大腿骨において、cKOでは、CONと比較して、骨密度が有意に低く、骨髄脂肪量は有意に増加した。 今後はこの表現型について詳細な検討を行っていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、CAR細胞特異的にERα欠損させた時の骨折治癒への影響を検出することができなかった。しかし、骨折治癒に関わる間葉系幹細胞は、骨膜や成長板にも存在するため、これらの細胞がCAR細胞におけるERα欠損の影響をマスクしている可能性も考えられた。一方で、cKOマウスの無処置の脛骨および大腿骨において、骨密度の低下及び骨髄脂肪の増加が見られたことは、閉経後骨粗鬆に見られる骨髄脂肪の増加の機序を明らかにし、治療標的を発見できる可能性がある。従って、今後はこの表原型について詳細な検証を行い、治療法の開発を目指す。
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