研究課題/領域番号 |
21K16754
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲垣 裕介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80804400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 男性不妊 / 精索静脈瘤 |
研究開始時の研究の概要 |
精索静脈瘤は男性不妊のなかで最も頻度が高いものの精液所見悪化を来す機序は解明されていない。我々は精索静脈瘤ラットモデルを作成し、精子運動能、受精能が低下したモデルの作成法を開発した。さらに酸化ストレスに着目し、水素を効率的に摂取できるシリコン成分剤の摂取が精子運動率、受精率を改善させることを発見した。精子は精巣上体で成熟し運動能、受精能を獲得することは分かっているが、機序については十分解明されていない。精索静脈瘤ラットを用いて精索静脈瘤による精子成熟障害の機序を解明することで、精巣上体での精子成熟機構を解明し、精子成熟障害による男性不妊の診断マーカー及び新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
精巣上体頭部組織、尾部組織を用いて遺伝子発現についてマイクロアレイで評価し、各群での遺伝子発現の変化を比較・解析した。コントロール群、精索静脈瘤群、シリコン摂取群において上昇低下パターンを示す遺伝子、低下上昇パターンを示す遺伝子を抽出、さらにその変動幅を基準に絞り込みを行った。その結果、26遺伝子が抽出され酸化ストレスに関連する遺伝子などすでに報告のある7遺伝子の発現変化を認めた一方で、精索静脈瘤による変化とは関連性がはっきりしていない19遺伝子も抽出できた。これらの結果から、新たな精子成熟障害の原因となる可能性のある遺伝子の候補がいくつか同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精巣上体での精子成熟障害は運動率や受精能の低下を引き起こし得るが、原因は十分には解明されていない。精索静脈瘤ラットモデルを用い、コントロール群、モデル群、抗酸化作用のあるシリコン成分剤を摂取したモデル群を作製し、精巣上体組織を用いて各群の遺伝子発現の変化についてマイクロアレイで評価した。その結果、酸化ストレスに関連する遺伝子などすでに報告のある遺伝子の他に、精索静脈瘤による変化とは関連性がはっきりしていない遺伝子を抽出できた。これらの結果から精子成熟障害の原因となる可能性のある新たな遺伝子の候補がいくつか同定された。今後、精巣上体での精子成熟障害の原因解明につながる可能性がある。
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