研究課題/領域番号 |
21K16759
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
薄場 渉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90867649)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | miR-146a-5p / 膀胱癌 / エクソソーム / TET2 / 膀胱腔内注入療法 / 血管新生 / 診断マーカー / miRNA-146a-5p |
研究開始時の研究の概要 |
再発・病期進展の可能性が高い筋層非浸潤性膀胱癌に対する新規診断法と膀胱内注入療法の確立を目指し、尿中エクソソームに内包されているmiR-146a-5pを新規バイオマーカーとして確立するとともに、膀胱癌組織における血管新生やサイトカインとの関連を検証する。また、網羅的発現解析により膀胱癌における血管新生に関連するmiR-146a-5p の標的遺伝子を同定する。さらにin vivo研究にてmiR-146a-5pが膀胱癌の増殖を制御するメカニズムを解明し、癌の進展や悪性化への寄与を明らかにする。最終的にはmiR-146a-5pおよびその標的遺伝子を用いて新規の膀胱癌治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
膀胱癌患者の尿中で発現が上昇しているmiR-146a-5pに着目し、膀胱癌への作用メカニズムの解明と新規治療法への応用を目的として研究を行った。 網羅的発現解析によりmiR-146a-5pの標的遺伝子としてTET2を同定し、TET2がc-Mycを介して膀胱癌の血管新生を促進することをin vitroで明らかにした。マウスモデルではmiR-146a-5pによるTET2の抑制が膀胱癌の腫瘍増殖能や血管新生能を促進させることが示された。膀胱癌患者の生存分析ではTET2低発現およびc-Myc高発現は予後不良因子であった。以上より、miR-146a-5pは膀胱癌の治療標的としての有用性が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
miRNAは1種類で同じパスウェイに存在する複数の遺伝子を標的とすることができる。よって強固な機能抑制が期待できるため、miRNAはsiRNAと比べ新規治療標的として効果的である。今回の研究ではmiR-146a-5pが膀胱癌の成長を促進することが示された。この結果を用いてmiR-146a-5pの膀胱内注入療法を確立し発現制御が可能となれば、これまでにない新規・再発治療法の早期実現に繋がり、さらにmiR-146a-5pにより制御を受ける他癌腫に対しての効果も期待できる。
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