研究課題/領域番号 |
21K16785
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田村 亮 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70650620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 卵巣成熟奇形腫悪性転化 / 腫瘍内不均一性 / 全エクソンシーケンス / APOBEC / 免疫チェックポイント阻害薬 / 卵巣成熟奇形腫 / 悪性転化 / XCL1 / 卵巣成熟嚢胞性奇形腫悪性転化 / 腫瘍内異質性 / マルチサンプリング / 扁平上皮癌 / RNA シーケンス / 抗PD1/PD-L1抗体 / 成熟嚢胞性奇形腫悪性転化 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣成熟嚢胞性奇形腫は最も頻度が高い良性腫瘍であるが、1-2%で悪性転化し進行例は極めて予後不良である。標準治療に抵抗性で新規治療法が求められているが、稀な疾患であり分子生物学的特徴の多くが未解明である。申請者はこれまでに、本疾患に対して網羅的遺伝子解析を行い、細胞障害性T細胞の活性化に重要な役割を持つXCL1 が、本疾患で極めて高い発現を示すこと、本疾患の多くで抗PD1/PD-L1抗体が有効な可能性があることを見出している。本研究では、先行研究で得られた知見の十分な検証を行うこと、および本疾患における腫瘍XCL1発現の意義を細胞株・動物実験を行い明らかにすることで、新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
卵巣成熟奇形腫から発生した扁平上皮癌に対して、腫瘍内の複数箇所からサンプリングを行い網羅的に遺伝子異常を評価することで、本疾患が腫瘍内の組織所見毎に強い腫瘍内不均一性を有すること、症例毎に複雑なゲノム進化をしていることを明らかにした。また、本疾患における遺伝子変異パターンとして、APOBEC型変異が多いことを明らかにした。さらに、悪性転化の機序を解明するため、扁平上皮癌症例の非癌部の扁平上皮や成熟奇形腫例の扁平上皮に着目し、これらに対し上皮選択的サンプリングを行なった後に網羅的に遺伝子異常を評価をすることで、TP53変異やAPOBEC型変異の蓄積が悪性転化に関与していることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣成熟奇形腫悪性転化症例が、組織所見毎に強い腫瘍内不均一性を有することは、本疾患の治療抵抗性の強さに関連している可能性が高く、また実臨床での腫瘍の採取部位や遺伝子異常の評価に注意を促す重要な結果であると考えられる。また、非癌部を含めた解析により、TP53変異やAPOBEC型変異の蓄積が悪性転化に関与していることを見出したことは、今後本疾患の早期発見や治療に結びつく可能性があり、臨床的意義が大きいと考えられる。
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