研究課題/領域番号 |
21K16859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
安慶名 信也 琉球大学, 病院, 講師 (30593496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HPV / HIF-1α / HPV陽性株 / HPV陰性株 / ヒト乳頭腫ウイルス / 頭頸部癌 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまで頭頸部癌において、放射線や抗癌剤に対する治療抵抗性に関与するとされる低酸素誘導因子(HIF-1α)を解析することで、HIF-1αが高発現している症例では治療予後が悪いことを見出した。一方でヒト乳頭腫ウイルス(HPV)関連中咽頭癌は,予後が良いことから治療強度を下げることで治療による副作用を減じる臨床研究が進行している。また頻度は少ないが副鼻腔癌,喉頭癌,口腔癌にHPV関連癌が存在することも報告されており、今後もHPV関連中咽頭癌の増加は続くと予測される。HPV関連頭頸部癌における低酸素状態下の分子機構は報告が少ない。低酸素状態下のHPV関連癌の分子機構を解明し,新規治療に応用することを目標とする。
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研究実績の概要 |
頭頸部癌では低酸素状態に起因する低酸素誘導因子(HIF-1a)の発現と予後との関連性がみられている。HPV関連頭頸部癌において低酸素状態下の分子機構は報告が少ない。本研究では低酸素状態下のHPV関連癌の分子機構を解明し,それを応用した新規治療法の開発を最終目標としている。2021年度は研究の第1段階として低酸素状態の頭頸部癌細胞株におけるHIF1-1α発現の解析し最終的には実際の細胞株で低酸素状態を作り抗癌剤による治療効果を解析していく予定である 現在HPV陽性株とHPV陰性株を使用し低酸素環境下で、HPV陽性細胞株(UMSCC、Caski)とHPV陰性細胞株(Scc4、SAS)の細胞培養を行うことで、どちらの細胞株でHIF‐1aの発現が亢進するか比較検討する実験を行ったが有意な差は認めなった。よって低酸素の条件を決めるためにReal-time PCRにおけるHIF-1aの遺伝子発現を確認し条件検討を行った。そのうえで再度細胞培養しHIF-1aの発現をWestern blotで確認した。現時点で低酸素条件においてどちらの細胞においてもHIF-1aの発現を認めているが有意差は認めなかった。よってHPV陽性、HPV陰性細胞株において酸素濃度変化とHIF1-aをノックダウンした場合の関連タンパク質の発現を検討することとした。ノックダウンする前にどの程度HIF1aがあるのかmRNAで調べる必要がある。少量であればノックダウンしても評価対象因子には向かないので低酸素誘導因子として別の因子をターゲットとする必要がある 低酸素状態の頭頸部癌細胞株におけるHIF-1α発現解析における低酸素状態での各細胞株のHIF1-αの発現に関してはクリアできているが低酸素状態で有意差が出るほどのKeyになる因子か再評価する必要がある
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞株を使用した低酸素にした条件実験は、条件設定が難しく、またKeyになるHIF1aの陽性、陰性評価も難しくPCRも含めてHIF1aの発現を再評価していく必要があり、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
正常酸素下、低酸素下におけるHPV陽性またはHPV陰性細胞株におけるmTOR阻害剤を使用した場合の各関連タンパク質の発現を検討する。 細胞株に関してはスフェロイド細胞株で行う。細胞株における中心部または外側部において低酸素状態に差があるのか立体的な細部株なので細切できれば、評価可能と考えられる。それにより中心部がよりDormacyとなり休止状態になり、癌の再発に関わっている可能性があるなど水平での評価というより実際の細胞、組織のように立体的な評価ができる 次に正常酸素下、低酸素下において抗癌剤(シスプラチン、5-FU、ドセタキセルなど) がHPV陽性またはHPV陰性細胞株に及ぼす影響を検討する。 実際の細胞株に抗癌剤をふりかけて細胞死の効果を低酸素状態とともに検討する
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