研究課題/領域番号 |
21K16867
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
冨樫 敬太 山形大学, 医学部, 助教 (80810796)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ぶどう膜悪性黒色腫 / CEP1347 / MDM4 / PKC / p53 / 眼科悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
ぶどう膜悪性黒色腫は眼内局所再発や遠隔転移が見られる進行例に対する有効な治療薬が現状存在せず、新規治療薬が切望されている。本研究ではぶどう膜悪性黒色腫細胞のp53を活性化によりその増殖を抑制できる薬剤につき検討を行うことでぶどう膜悪性黒色腫に対する新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本課題では、新規MDM4発現抑制薬CEP1347のぶどう膜悪性黒色腫 (uveal melanoma: UM)細胞に対する効果を検討した。その結果、CEP1347が臨床濃度域でUM細胞におけるMDM4発現を抑制しp53を活性化すること、正常細胞に影響を与えることなくUM細胞の生存・増殖を選択的に抑制することが明らかとなった。加えて、CEP1347がUM細胞においてProtein kinase C (PKC)の活性を抑制することも明らかにしたが、重要なことにPKC抑制がMDM4発現抑制と協調してp53を活性化するという、本課題では当初予想していなかった新知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ぶどう膜悪性黒色腫は成人の原発性眼内悪性腫瘍の中では最も頻度が高く、しばしば致死的となる予後不良疾患である。早期診断例に対しては視機能を温存する種々の治療法が存在するが、治療後の眼内局所再発や遠隔転移に対する有効な治療法はいまだ存在せず、有効な薬物療法の確立が急務となっている。これに対して本課題では、すでにヒトに対する安全性が知られている薬剤CEP1347がその臨床濃度域においてぶどう膜悪性黒色腫細胞に対して選択的にp53を活性化し増殖を抑制する作用を有することを明らかにしており、ぶどう膜悪性黒色腫治療薬の新たな有力候補を見出したという点において医学・医療に貢献するものと考えられる。
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