研究課題/領域番号 |
21K16896
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岸本 達真 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (60783751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アレルギー性結膜炎 / MUC16 / LPS角膜炎 / ドライアイ / アレルギー性結膜疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
眼表面のバリアは角結膜の上皮細胞の上皮間結合とムチンや涙液からなる。眼表面のバリアと眼表面炎症には密接な関係性があると考えられるが、眼炎症性疾患をバリアの観点からその病態を明らかにする研究はこれまでほとんど見られない。本研究では、二種類のバリア機能障害モデル(涙腺摘出した涙液減少型ドライアイモデルおよびMUC16KOマウス)を用いて、①アレルギー性結膜炎、②自然免疫型角膜炎(LPS誘導角膜炎)を誘導して、眼表面のバリア機能の低下により眼表面の炎症に関わる細胞・分子を同定し、眼表面炎症の悪化サイクルを阻止することを目標とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、アレルギー性結膜炎モデルの作製とアレルギーの臨床所見の検討を行った。昨年度の検討で野生型マウス、MUC16欠損マウスのいずれにおいても眼窩外涙腺を摘出しドライアイを誘導することで角膜上皮障害が増悪することが分かったが、野生型マウス、MUC16欠損マウスの間で差はなかったことから、本年度からはMUC16がアレルギーに与える影響を評価するためドライアイを誘導せずに検討を行うこととした。まず、アレルギー性結膜炎モデル確立のため、野生型マウス、MUC16欠損マウスに初回免疫として左足底部および尾根部に抗原として卵白アルブミン(OVA)もしくはブタクサ花粉(RW)を水酸化アルミニウムゲルに懸濁して投与した。初回免疫を行った日をDay0とし、Day7、14にOVAもしくはRWを腹腔内投与し追加免疫を行った。Day20に抗原点眼を行い、引っ掻き回数の計測とアレルギーの臨床所見として眼瞼腫脹、結膜浮腫、結膜充血を0-3のスコアの合計でグレーディングした。その結果、引っ掻き回数、臨床所見ともにRWによる免疫を行った群で野生型と比較しMUC16欠損マウスで有意に増加したことから、RWを用いて検討を行うこととした。Day20からRW抗原点眼を毎日行い、Day28に眼球摘出し、結膜好酸球浸潤数を計測したところ、野生型と比較し、MUC16欠損マウスで優位に好酸球浸潤数は低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MUC16欠損マウスにおいて、RWを用いて免疫し、抗原を点眼することでアレルギー性結膜炎を惹起することができたが、IL-1β mRNA、IL-12 mRNA、IL-6 mRNA、IL-8 mRNAおよびTNF-α mRNAなどについて、結膜サイトカインプロファイルを検討することができなかった。初回免疫によるアレルギーの誘導から抗原点眼開始までの期間が長く、今後は日程調整を含め迅速に実験を遂行する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
MUC16の欠損によりバリア機能が障害され、抗原が結膜上皮下に浸透しやすくなるかどうかについての検討として、ビオチン標識をした物質を点眼し粘膜固有層における蛍光強度をみる検討も本年度に実施する項目であるため、期間内に計画通り研究を遂行する。また、来年度は、MUC16欠損マウスにおけるLPS角膜炎の誘導と炎症反応の増悪についての検討を行う予定であるため、研究期間内に実施できるよう迅速に実験を遂行する。
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