研究課題/領域番号 |
21K16932
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
園田 聡一朗 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10831985)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 胸腺間葉系ストロマ細胞 / 制御性T細胞 / 歯髄幹細胞 / 自己免疫疾患 / 胸腺ストロマ細胞 / 胸腺 / 神経堤由来幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
胸腺はT細胞の発生に関与する生体の免疫システムの中枢を担う臓器である。胸腺の正常な発生・発育・維持には神経堤由来の間葉系細胞が必須であることが知られている。間葉系幹細胞はT細胞に対し高い免疫調節機能を示すことが知られているが、胸腺の制御機構は知られていない。本研究では、歯髄幹細胞が神経堤に由来し、間葉系幹細胞としての特性を示すことに着目し、自己免疫疾患に対する移植治療効果を検討する。胸腺への影響と治療効果との関連性を解明し、「自己免疫疾患に対する新規治療方法確立へ向けた科学的基盤を得ること」ならびに「倫理的制約から研究が困難なヒト神経堤の生体での機能に関する基礎的知見を得ること」を目的とする。
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研究成果の概要 |
近年、胸腺の間葉系細胞が正常なT細胞のセレクションに重要な役割を果たすことが報告されており、その機能異常が自己免疫疾患の病因になることが推測される。本研究では、胸腺における制御性T細胞のセレクション機序に着目し、胸腺間葉系ストロマ細胞との関連を検討した。具体的には、マウス胸腺から胸腺間葉系ストロマ細胞およびCD4単陽性細胞を単離し、共培養実験を行なった。接触型共培養においてCD4単陽性細胞からCD4・ CD25陽性の制御性T細胞への分化が認められた。CD4・CD25陽性の制御性T細胞への分化は、特に髄質の胸腺間葉系ストロマ細胞の細胞表面マーカー特性を示す細胞によって誘導されることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胸腺では、皮質および髄質のそれぞれに特異的に局在するストロマ細胞によって、部位特異的な刺激によってT細胞の成熟・分化が促されることが知られている。本研究により、胸腺髄質間葉系ストロマ細胞が制御性T細胞の胸腺内における部位依存的な分化を担っていることが示唆された。制御性T細胞は免疫自己寛容を司る細胞であり、自己免疫疾患などの免疫の過剰反応を伴う疾患の病因に深く関わっていると考えられている。本研究成果によって、免疫の過剰反応を伴う疾患における、制御性T細胞の賦活化を可能にしうる新たな治療標的として胸腺髄質間葉系ストロマ細胞が有力な候補であることを示すことができた。
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