研究課題/領域番号 |
21K16945
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松宮 由香 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80817023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 多形腺腫 / 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 / 顎下腺 / 文化機序 / 不死化筋上皮細胞 / 分化機序 / 網羅的遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
良性唾液腺腫瘍である多形腺腫は、腺管を形成する腺管上皮と、その周囲に広がる筋上皮細胞様細胞(腫瘍性筋上皮細胞)から構成され、この腫瘍性筋上皮細胞が、多様な分化を示すため、極めて多彩な組織像が、同一腫瘍内に見られるとされている。しかし、腫瘍性筋上皮細胞がなぜ、どのような機序で、多彩な分化を示すのかは不明である。 本研究では、多彩な分化領域の網羅的遺伝子解析と不死化筋上皮細胞株を用いた多分化機序の解明により、多形腺腫における多彩な組織分化メカニズムの解明に挑む。
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研究成果の概要 |
唾液腺多形腺腫(以下 PA)における、腫瘍性筋上皮細胞の分化機序の解明を目指した。トロンボスポンジン (THBS) 遺伝子ファミリーの中でも、THBS-1 / 2 は、腫瘍発生や腫瘍免疫に関連していることが報告されている。本研究で、これらはPAにおいて、正常組織に比し、RNA発現が上昇していることがわかった。また、THBS1、THBS2のタンパク発現は、正常唾液腺では、導管上皮のみで発現していたのに対し、PAでは腫瘍性筋上皮細胞と間葉組織細胞に発現していることがわかった。 以上より、PAの腫瘍性筋上皮細胞の発生や間葉組織の分化機序にTHBS-1 と THBS-2が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
唾液腺腫瘍の中で、多形腺腫は最も多く発生し、被膜内浸潤による再発性の高さや悪性変化することも知られている。組織学的に多形腺腫は、 腺管を形成する腺管上皮と、その周囲に広がる筋上皮細胞(腫瘍性筋上皮細胞)からなる上皮系組織と、多様な間葉組織から構成され多彩な組織像が、同一腫瘍内に見られる。 間葉組織には、腫瘍性筋上皮細胞から分化すると考えられている。しかしながら、腫瘍性筋上皮細胞がなぜ、どのような機序で、多彩な分化を示すのかは不明である。唾液腺多形腺腫の発生・分化について知ることは、多形腺腫の病態制御に寄与するだけでなく、希少とされる唾液腺腫瘍研究へつながる共通した知見が得られるものと考える。
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