研究課題/領域番号 |
21K16957
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
美原 希美 (冨山 希美 / 美原希美) 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (00803264)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 口腔癌 / KLF5 / 細胞分化 / 発現制御 / 遺伝子抑制機構 |
研究開始時の研究の概要 |
KLF5は特に上皮細胞の分化制御に重要な転写因子であり、上皮性悪性腫瘍で過剰に発現する。口腔癌細胞にKLF5を過剰発現させると細胞の分化形質が阻害されることから、KLF5は癌細胞を脱分化させ上皮-間葉移行を誘導し、癌進行における重要な因子であると考えられる。 癌はDNA-based diseaseであり、それに関わる遺伝子の発現機構研究の対象の多くはプロモーター・エンハンサーユニットであるが、抑制的な遺伝子発現制御に関する研究はほとんどない。本研究では、癌悪性形質獲得に関わるKLF5遺伝子の抑制的な発現制御機構に着目し、KLF5遺伝子の発現抑制機構と癌細胞の脱分化能との関連について検証する。
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研究成果の概要 |
KLF5は上皮細胞の分化抑制に重要な転写因子であり、癌進行に大きく関わると考えられるが、その発現制御機構と細胞分化との関連性については明らかになっていない。本研究では、KLF5遺伝子の基本的発現に不可欠な最小必要領域(MER)とその上流に存在するサイレンサー領域のインタラクトにはCREBが介在しており、MERに結合するSp3以外の因子と複合体を形成することが示唆された。また、ヒトケラチノサイト由来細胞株HaCaTにCaによる分化、脱分化誘導を行ったところ、KLF5とその発現抑制に関わるCREBの発現はCa誘導性分化の影響を受け、細胞内Ca濃度がその発現制御に関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌はDNA-based diseaseであり、癌発生の要因は遺伝子変異だけではなく、他の要因による影響を受けて複雑に絡み合っている。癌の発生や進行に関わる遺伝子の促進的な発現制御機構については多くの報告がある中、抑制的な発現制御機構についての報告は極めて少ない。本研究成果は、癌の悪性形質獲得に関わるKLF5遺伝子の全体的な発現制御機構の解明に繋がり、癌進行における新たな分子学的背景を明示し、新規の癌治療法が必要な疾患に対する社会的ニーズに大いに貢献すると考えられる。
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