研究課題/領域番号 |
21K16976
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高井 瑞穂 (山崎瑞穂) 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (20822620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | AMTN / 接合上皮 / miR-200b / miR-223 / miR-150 / IKK-β / アメロチン / miRNA / TNF-α / IL-1β |
研究開始時の研究の概要 |
接合上皮は歯肉溝底部で歯周組織を保護するバリア機能を担う構造であり、歯周病の発症に大きく関わる。接合上皮特異的に発現するアメロチン(AMTN)は、接合上皮の歯面への付着(上皮性付着)との関与が示唆されており、歯肉上皮細胞ではTNF-αおよびIL-1β刺激によって遺伝子発現が促進される。本研究では、慢性歯周炎患者から得られた炎症性歯肉およびmiRNA発現ベクターを導入した培養細胞を用い、炎症環境下にある歯肉接合上皮においてmiR-150・miR-223・miR-200bがAMTNの発現に及ぼす影響を多方面から解析する。
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研究成果の概要 |
接合上皮特異的に発現するアメロチン(AMTN)の遺伝子発現に対するMicroRNA(miRNA)の影響について解析した。ヒト歯肉上皮細胞(Ca9-22)におけるTNF-αおよびIL-1β誘導性のAMTN遺伝子発現は、miR-150、miR-200bおよびmiR-223過剰発現により抑制された。TNF-αおよびIL-1β刺激に応答する細胞内シグナル伝達経路中の因子のうち、IKKβ mRNA発現がmiR-200b過剰発現によって抑制された。miR-200bはAMTN 3’-UTRおよびIKKβ mRNAを標的として,ヒトAMTN遺伝子の転写調節に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AMTNは歯肉接合上皮に特異的に発現し、炎症性サイトカインTNF-αおよびIL-1β刺激によって発現が増加することが示唆されている。本研究では、ヒト歯肉上皮細胞におけるIL-1βおよびTNF-α誘導性のAMTN遺伝子発現は、炎症性歯肉で発現が増加するmiR-150、miR-200bおよびmiR-223過剰発現により抑制されることが示された。さらに、miR-200bはAMTN遺伝子発現を直接的および間接的に抑制される可能性が示された。本研究の成果は、接合上皮領域におけるAMTN遺伝子発現は炎症環境下においてmiRNAによる調節を受け、歯周炎の発症に寄与する可能性を示唆している。
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