研究課題/領域番号 |
21K16990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
外園 真規 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助教 (00876675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | デンタルバイオフィルム / 歯肉上皮 / 細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内には様々な細菌が生息しており、これらの細菌が歯面に形成するデンタルバイオフィルムはう蝕や歯周病の主な要因であると考えられている。 しかし、う蝕や歯周病はその他の感染症と異なり、生命を脅かす重篤な症状とならず、口腔はデンタルバイオフィルムに対して免疫応答しながら上皮バリアを機能させていると考えられる。 本申請研究は、デンタルバイオフィルムと生体の共生のメカニズムを理解するために、バイオフィルムと歯肉上皮細胞の両面から解析を行うことを目的としている。健常者から採取したデンタルバイオフィルムとヒト歯肉上皮細胞を組み合わせて培養し、それぞれの反応を解析する。
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研究実績の概要 |
口腔内には様々な細菌が生息しており、これらの細菌が歯面に形成するデンタルバイオフィルムはう蝕や歯周病の主な要因であると考えられている。しかし、う蝕や歯周病はその他の感染症と異なり、生命を脅かす重篤な症状とならず、口腔はデンタルバイオフィルムに対して免疫応答しながら上皮バリアを機能させていると考えられる。デンタルバイオフィルムと歯肉上皮細胞の共培養のためのモデルの確立およびその特徴についての解析を行うこととした。 令和3年度に行っていた実験モデルでは、上皮細胞は単層であり、ヒト歯肉を模倣しているとはいえない。このため,令和4年度に歯肉線維芽細胞株および歯肉上皮細胞株といった複数の細胞株を用いた歯肉モデルを確立した。歯肉モデルの切片の観察を行ったところ、線維芽細胞の層の上に上皮細胞の層が認められ、歯肉を模倣した構造の再現が出来ていることが確認されたため、被験者から採取した実験的デンタルバイオフィルムと確立した歯肉モデルを共培養することとした。 被験者から採取する実験的バイオフィルムサンプルの数が限られるため、共焦点レーザー顕微鏡観察の際に死菌、生菌、菌体外多糖をそれぞれ異なる色で染色する方法を確立を行った。 令和3年度はコロナウイルス感染症まん延のため、被験者の口腔で作成したin situデンタルバイオフィルムを採取することが難しかったが,被験者を集め,採取したin situデンタルバイオフィルムと新たに確立した歯肉モデルを共培養し,バイオフィルムに関してはDNA抽出,共焦点レーザー顕微鏡観察を行い,歯肉モデル細胞に関してはRNA抽出,組織切片の観察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症のまん延のため、被験者からデンタルバイオフィルムを採取したり、in situデンタルバイオフィルムモデルを用いて口腔内で実験的 デンタルバイオフィルムを作製することが難しかったため、歯肉モデルの開発を先行して行った。 本年度は令和4年度に歯肉線維芽細胞株および歯肉上皮細胞株といった複数の細胞株を用いた歯肉モデルを確立し、被験者から採取したin situデンタルバイオフィルムと共培養を行い、サンプルの採取を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
よりヒト歯肉に近い新たな歯肉上皮モデルを確立できたため、実験的デンタルバイオフィルムとの共培養を行い、バイオフィルム(細菌)と細胞(宿主)のそれぞれの側面から解析を行う。 具体的には、バイオフィルム(細菌)に関しては生菌数および総菌数測定、リアルタイムPCRによる遺伝子発現、共焦点レーザー顕微鏡観察による三次元的構造 解析、16SrRNAシーケンスによる細菌叢解析を予定している。 細胞(宿主)に関しては、組織学的解析、遺伝子発現解析を行う。
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