研究課題/領域番号 |
21K17020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
外山 直人 名古屋大学, 医学部附属病院, 客員研究者 (30877098)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨再生 / マクロファージ / チタン / 血管新生 / 大規模骨欠損 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
広範な顎骨欠損の再生はいまだ大きな課題である。大規模骨欠損の再生における課題の一つは血流の確保である。 マクロファージは、創傷治癒過程や埋入された生体材料の表面性質などの周囲の環境によって活性が変化する。また創傷治癒において初期から重要な役割を担い、血管新生にも大きな影響を及ぼす細胞である。 本研究では欠損部に適応されるチタン材料表面の改質により、付着したマクロファージの活性化制御を図り、大規模骨欠損の再生を可能にする効率的な血管網の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
顎骨の再生治療において広範な骨欠損の再生はいまだ大きな課題である。大規模骨欠損の再生において最大の課題は欠損部への血流の確保である。生体組織において、一部の無血管組織を除き、血管からの酸素・栄養の供給は必須であり、損傷組織や欠損部での組織修復、再生ではその需要はより高まる。しかし、欠損が大規模化するほど中心部 への血流の確保は困難となる。現在それを可能にする方法は血管系をそのまま移植する血管柄付き自家骨移植、骨端から徐々に欠損の中心へと組織再生を進める仮骨延術のみである。大規模欠損の再生を可能にするような血管系の効果的、効率的な新生、構築を可能にする新たなアプローチが必要である。マクロファージは組織修復・再生において炎症反応だけでなくその極性によって、間葉系幹細胞などの直接的に組織修復を担う細胞の動員や分化に大きな影響を持つ細胞である ことがわかってきている。修復過程でその極性を適切にコントロールすることは血管新生を含む効率的な組織再生につながると考えられる。 本年度は昨年度に引き続きin vitroの実験を中心に進めた。 チタン表面の処理として簡便に実施可能な機械研磨と酸処理との比較を行った。チタン表面構造の変化の観察をおこなったうえで、マクロファージとしてTHP-1細胞を分化させたものを用いて材料表面上で培養し経時的な極性マーカーおよび血管新生関連遺伝子の発現の変化を解析した。 結果として処理後のチタンでは未処理のものと比較してマクロファージの極性マーカーが変化し、血管新生因子の遺伝子発現の経時的な変化が異なることを明らかにした。 現在、材料上で培養したマクロファージとヒト臍帯静脈内皮細胞やヒト間葉系幹細胞との非接触型の共培養、マクロファージの培養上清を用いた培養を行い、細胞の挙動(遊走、管腔形成、石灰化)、遺伝子発現、タンパク発現の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
共培養など材料上で培養したマクロファージが間葉系幹細胞、血管内皮細胞におよぼす影響についての実験を進めている段階であり当初の予定からは遅れた進行となっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きin vitroの実験を中心に進める。材料上で培養したマクロファージの共培養もしくは培養上清を用いて間葉系幹細胞の骨形成関連遺伝子、タンパクの発現、血管内皮細胞の増殖能や管腔形成への影響の検討を進める。 また可能であれば確立ずみのラットもしくはマウスによる骨欠損モデルでの検討を進める。
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