研究課題/領域番号 |
21K17034
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
那小屋 公太 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10806491)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | COPD / 嚥下 / 呼吸 / 生理学 / 筋電図記録 / ラット / 摂食嚥下障害 / サルコペニア / 疾患モデル動物 / 筋力 / 筋電図 / 筋力解析 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の多くは単なる老化による生理学的変化のみならず、活動量低下や疾患に伴う全身の筋量・筋力低下(サルコペニア)に陥りやすい。サルコペニアと摂食嚥下障害の関係については多くの臨床報告がみられるものの、その基礎的理解は乏しい。本研究では、サルコペニアの摂食嚥下障害の誘発メカニズムを明らかにすることを目的として、疾患モデル動物を使用し、疾患の影響により誘発されるサルコペニアが摂食嚥下に与える生理学的影響を検証する。本研究により、サルコペニアが嚥下関連筋や咀嚼筋にどのような影響をもたらすか組織学的、機能的に追及し、サルコペニア患者の摂食嚥下障害に対する治療のエビデンスを提供することを期待する。
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研究成果の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は労作時呼吸困難などで知られている呼吸器疾患である。申請者は過去にCOPDモデルラットを作成し、COPD罹患による呼吸・嚥下への影響を検証した。その結果、COPD罹患は吸気中の嚥下惹起頻度を高め、嚥下関連筋活動も変化させるということがわかった。今回、中枢呼吸回路に依存し、嚥下に先立つ短い吸気を示す、Schluckatmung(小吸気)に関して検討を行ったところ、COPDモデルでは、Schluckatmung(小吸気)を認めるがその頻度はわずかであり、罹患により有意な増加を示さなかった。COPD罹患による末梢性変化は呼吸中枢を変調するまでに至らない可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疾患による生理学的影響を理解することはリハビリテーションを行う上で非常に重要である。本研究は慢性閉塞性肺疾患(COPD)による呼吸・嚥下動態の変調が肺や筋などの末梢性によるものか脳幹呼吸中枢による中枢性によるものかを検証するために解析を行った。本研究結果は、COPD罹患による呼吸・嚥下の変調は脳幹呼吸中枢によるものではなく、リハビリテーションのアプローチ先として肺や筋など末梢が有効であることを示唆している。本研究結果がCOPD患者の摂食嚥下障害患者の新たなリハビリテーション模索の一助となることを期待したい。
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