研究課題/領域番号 |
21K17040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 優一 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70883263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | インプラント / AI / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
日常臨床に広く応用されているインプラント治療において、その予後に大きく影響するインプラント周囲炎は留意を要する病態である。本研究では、すでに蓄積された多施設共同型の大規模後向きコホート研究のデータベースより、インプラント周囲炎の発症を予想するアルゴリズムを構築し、追加調査から得られた実際の経過データと予測モデルとの比較を行うことで、高精度でインプラント周囲炎の発症を予測できるシステムの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は,インプラント周囲炎の発症を高精度で予測するシステムを確立することを目的とする. 2022年度は,感染対策に十分配慮したうえで,180名(男性56名,女性124名,平均年齢68.5歳),548本のインプラント体について追跡調査を行い,10年以上経過症例のデータベースを構築した. データベースより,機能後1年をベースラインとした10年以上経過時までの複数時点におけるインプラント周囲骨吸収量の年平均値を算出した.インプラント治療の成功基準とされている<0.2mmと,それ以上の骨吸収を呈する≧0.2mm (以下,異常骨吸収)の群に分類し,一般化線形混合モデルにおける多変量解析の目的変数とした.固定効果は,年齢,性別,ベースライン時における喫煙歴,糖尿病,骨粗鬆症および歯周病の既往の有無,プラークコントロールレコード(以下,PCR),Eichner分類,埋入部位,固定様式,角化粘膜幅,観察期間とした.年間骨吸収量の平均値は,0.07mmであり,61本 (11.1%)が異常骨吸収を呈した.多変量解析の結果,異常骨吸収は,年齢 (オッズ比:1.05),糖尿病 (オッズ比:2.00),セメント固定 (オッズ比:3.71),PCR>20% (オッズ比:3.23),上顎への埋入 (オッズ比:2.32),角化粘膜幅<2mm (オッズ比:1.69),観察期間 (オッズ比:1.01)と有意な関連が認められた. 本研究においてインプラント体の周囲骨吸収は,過去に関連が報告されている糖尿病,口腔清掃状態や角化粘膜幅などの炎症誘発性因子に加え,固定様式,上顎骨への埋入といった構造や解剖学的因子との関連が示された.長期経過したインプラント体を対象とした周囲骨吸収のリスク因子を検討した研究は少なく,臨床的意義は大きいと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響で,2022年度に予定していた調査が十分に行えず,目標症例数に到達しなかった.また,協力施設への訪問も十分にできず,2022年度最初に行う予定であったデータ整理・分析が,年度終わりに行うこととなったため.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は2022年度にできなかった追跡調査を感染対策に十分配慮した上で行い,データの収集,整理や分析を行う予定である.
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