研究課題/領域番号 |
21K17044
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岩浅 匠真 徳島大学, 病院, 診療支援医師 (80761428)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 痛み行動 / 三叉神経節 / グリア細胞 / 炎症性サイトカイン / サイトカイン / 痛み / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では口腔顔面痛に対する治療法開発を最終目的として、口腔顔面痛モデルの三叉神経節におけるグリア細胞機能抑制による鎮痛効果メカニズムの解明を目指す。具体的には、痛み誘発物質投与による慢性痛モデル作成と痛み行動計測、遺伝子・タンパク解析、神経節への薬物直接投与などの手法を用いて、口腔顔面痛動物モデルにおける痛み行動解析、グリア細胞内NF-κBシグナル伝達解析、グリア細胞機能抑制薬による痛み変化の解析を実施する。本研究により、口腔顔面痛におけるグリア細胞内のシグナル伝達の一端を明らかにし、新規治療法開発の基盤を形成する。
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研究実績の概要 |
本研究では、口腔顔面痛モデルの三叉神経節におけるグリア細胞機能抑制による鎮痛効果メカニズムの解明と治療法の基盤形成を目的としている。具体的には、①口腔顔面痛動物モデルにおけるグリア細胞内NF-κBシグナル伝達変化、②口腔顔面痛モデルの三叉神経節へのグリア細胞機能抑制薬投与による痛み行動の変化、③グリア細胞機能抑制によるNF-κBシグナル伝達変化を解明し、口腔顔面痛の新規治療法開発のための基盤となる情報を発信する。 ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗菌薬であるが、グリア細胞機能を抑制することが報告されている。全身麻酔下のラットにミノサイクリンを痛み伝達に関連しているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)とともに三叉神経節に投与し、全身麻酔からの回復後にCGRP単独投与により生じる痛み行動が軽減されるかどうかを観察した。その結果、ミノサイクリンとCGRPの同時投与により、痛み行動の改善が観察された。痛み行動の評価はラットが顔面部皮膚を37℃、45℃、10℃の金属チューブに当てて飲水する接触時間を機械的に記録することにより実施し、45℃において有意差が観察された。痛み行動が観察されたラットでは、金属チューブへの顔面部の接触時間が短くなった。CGRP投与直後、6時間後、24時間後の痛み行動を観察し、6時間後に有意差が観察された。 グリア細胞機能の活性化は三叉神経節を摘出後、グリア細胞におけるGlial fibrillary acidic protein(GFAP)発現を免疫染色により観察した。その結果、CGRP投与により上昇したGFAPの活性が、ミノサイクリン投与により軽減することが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験準備に時間を費やしたため、本年度に予定していたNF-κBシグナル活性部位の解明のための準備ができなかった。その中でも、全身麻酔下のラットにミノサイクリンを痛み伝達に関連しているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)とともに三叉神経節に投与し、全身麻酔からの回復後にCGRP単独投与により生じる痛み行動が軽減されるかどうかを観察することができた。その結果、ミノサイクリンとCGRPの同時投与により、痛み行動の改善が観察された。痛み行動の評価はラットが顔面部皮膚を37℃、45℃、10℃の金属チューブに当てて飲水する接触時間を機械的に記録することにより実施し、45℃において有意差が観察された。痛み行動が観察されたラットでは、金属チューブへの顔面部の接触時間が短かくなった。CGRP投与直後、6時間後、24時間後の痛み行動を観察し、6時間後に有意差が観察された。 また、グリア細胞機能の活性化は三叉神経節を摘出後、グリア細胞におけるGlial fibrillary acidic protein(GFAP)発現を免疫染色により観察することができ、その結果、CGRP投与により上昇したGFAPの活性が、ミノサイクリン投与により軽減することが観察された。
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今後の研究の推進方策 |
全身麻酔下において、ラット三叉神経節を摘出し、これまでの実験と同様の方法で分離培養したグリア細胞にミノサイクリンとCGRPを投与する。12時間経過後にPCR arrayにより、NF-κBシグナル関連のmRNA(Myd88など84遺伝子)の発現量の変化を観察する。ミノサイクリンの投与時期は参考にして、CGRP投与直前に設定する。CGRP単独投与の結果と比較することにより、グリア細胞が興奮するとNF-κBシグナルのどの部位が活性化しているのかが理解でき、口腔顔面痛とNF-κBシグナルの活性部位の関連性を把握することができる。
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