研究課題/領域番号 |
21K17048
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
小田 由香里 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20778518)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | streptococci / インプラント周囲炎 / 中性2%NaF / 大気圧プラズマ照射 / 表面処理 |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント周囲炎はインプラント治療における生物学的合併症の一つであり、明確な予防法および治療法がない。現在、インプラント周囲炎の発症において、初期定着細菌群のレンサ球菌群が関連すると示唆されている。しかしながら、どのような表面処理方法がレンサ球菌群の付着を抑制するかは明らかになっていない。そこで、レンサ球菌の付着抑制法を確立できれば、インプラントメインテナンスにおけるインプラント周囲炎発症予防法の確立につながる可能性が非常に高いと考えた。本研究は、レンサ球菌群をターゲットとし、その付着を抑制する表面処理法を確立し、インプラント周囲炎の発症予防へ応用することを目的としている。
|
研究実績の概要 |
インプラント周囲炎部位において、メタゲノム解析法により網羅的解析を行った結果、歯周炎における初期定着細菌とされているstreptococciが検出されてい る。そこで今回、streptococciをターゲットとして、付着を抑制するインプラント材料の表面処理法を見いだすことが、最終的にインプラント周囲炎を惹起する細菌 で構成されるバイオフィルム形成の後期定着細菌群の表面付着抑制に繋がる可能性が高いと考え、化学的処理および物理的処理を行なったチタンおよびジルコニア材料表面は、streptococciの付着抑制効果があるのか明らかにすることを目的とした。 現在、化学的処理法である中性2%NaFの塗布がstreptococci (S.sanguinis,S.gordoniiおよびS.oralis)の生菌数を減少させ、チタンおよびジルコニア表面上の streptococciの付着抑制に有効であることが明らかになっている。また、物理的処理法である大気圧プラズマ照射は、streptococciの菌種の違いによるものの、 生菌数を減少させている。特に、S.sanguinisおよびS.gordoniiにおいて、付着抑制に有効である傾向が認められており、有効な方法である可能性が高い。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第一段階として、2%NaFがS.sanguinis,S.gordonii,S.oralisといったstreptococciの付着抑制にも有効であるかを検討したところ、ATP lumino assayの 結果より、チタン及びジルコニアディスク上に2%NaFを塗布した群では、NaF塗布しない群と比較し、生菌数が少ないことが明らかになっている。 第二段階として、大気圧プラズマ照射がstreptococciの付着抑制にも有効であるかを検討したところ、S.gordoniiおよびS.oralisにおいて、ATP lumino assayの 結果より、チタン及びジルコニアディスク上に大気圧プラズマを照射した群では、照射しない群と比較し、生菌数が少ない傾向を認めている。 よって、初期定着細菌群streptococciをターゲットにした付着抑制が可能であると考えられるため、本題における進捗状況はおおむね順調であると考えられ る。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の第二段階として、大気圧プラズマ照射がS.sanguinis,S.gordonii,S.oralisといった他のstreptococciの付着抑制にも有効であるかを検討したところ、 ATP lumino assayより、チタン及びジルコニアディスク上に大気圧プラズマ照射を行なった群では、大気圧プラズマ照射しない群と比較し、生菌数が少ない傾向を認めたが、大気圧プラズマ照射の詳細な条件検討について探索する。
|