研究課題/領域番号 |
21K17115
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 喜章 岡山大学, 大学病院, 医員 (30845384)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔癌 / 細胞外小胞 / 薬剤耐性 / 治療抵抗性 / バイオマーカー / 銅輸送経路 / ATP7B / シスプラチン / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
癌化学療法における薬剤耐性は依然として深刻な問題である. 近年, 腫瘍微小環境における細胞外小胞(EV)を介した細胞間コミュニケーションが癌の進展の過程 および抗癌剤耐性の獲得に大きな役割を担っていると考えられているが, 口腔癌のEVの性質, 取り込み, 機能などについては不明な点が多く残っている. そこで本研究では, 口腔癌から採取したEVを用い, 口腔癌の薬剤耐性メカニズムにおけるEVの果たす役割について明らかにする. さらに, EV中における薬剤耐性関連分子を明らかにし, 薬剤耐性を克服する新たな治療法の探索を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,口腔癌のシスプラチン耐性に癌細胞が分泌する細胞外小胞(EV)と銅輸送蛋白(ATP7B)が関与していると仮説立て検証を進めた.その結果,(i)ATP7Bを介したEVの放出が口腔癌のシスプラチン治療の主要な障害であること,(ii)ATP7Bが新たな治療標的となる可能性を見出した.本研究の成果については口腔腫瘍学に関する国際専門誌への受理に至った(Ogawa T, Head Neck, 2024; Umemori K, Oral Oncol, 2023).更に未発表データの蓄積や,in vitro,in vivoでの実験に加え,臨床サンプルを用いた将来的な発展的研究への見通しがたった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の意義は, 口腔癌の化学療法に対する治療抵抗性関連因子を見つけ出し, 新規治療法および有用な診断バイオマーカーを開発することにある.今回の研究では,口腔癌のシスプラチン抵抗性に関連する事象として,銅輸送経路とEVを使ったシスプラチン排出機構の証明および治療標的としての銅輸送経路とEVの妥当性の検証に注力した.薬剤耐性に関わる分子機構を解析することは容易ではないが,様々な新薬候補の薬効作用に対する耐性メカニズムを先制的に解析しておくことは,学問的にも未知の薬理メカニズムの解明や薬効規定因子などのバイオマーカーの発見にもつながると期待される.
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