研究課題/領域番号 |
21K17119
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
柳沼 樹 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | BMP-3b / 乳がん / 扁平上皮がん / 骨浸潤 / TGF-β / GDF-10 / 骨転移 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞が骨に定着し発育する場,すなわち“骨転移ニッチ”を構成する宿主側の骨芽細胞や骨細胞からBMP-3bは多く分泌されている.そのため,骨転移を研究する上で,がん細胞だけでなく,宿主側のBMP-3bも考慮しなければならない.そこで本研究では,BMP-3bのノックアウトマウスや過剰発現マウスに乳がん細胞を接種し,骨転移を解析する.本研究によって,宿主側から分泌されるBMP-3bと乳がん骨転移の関係が明らかになれば,BMP-3bは乳がん骨転移の予後を予見するバイオマーカーや治療のターゲットとなり得る可能性がある.
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研究成果の概要 |
TGF-βスーパーファミリー関連因子において,BMP-3bと同様にBMP-3, BMP-2, ACVR2B, TGF-β1の発現量が低いほど乳がんの死亡予後が有意に悪いことがわかった.BMP-3bは骨芽細胞に発現していた.BMP-3bのノックアウトマウスの骨を解析したところノックアウトで骨量が大きく,またノックアウト由来の骨芽細胞は野生型に比べて骨芽細胞分化能が有意に高かった.すなわち,BMP-3b は骨芽細胞系細胞の骨形成を抑制することで骨量を負に制御している可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw(MRONJ)はビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体などの骨吸収抑制薬使用による有害事象である.MRONJの誘因としては乳がんなど骨転移や,それに伴う疼痛緩和のために骨吸収抑制剤が投与されているケースが多い.本研究から,乳がんの骨転移メカニズムの一端が明らかになり,将来的に骨代謝回転を低下させることなく骨転移をコントロールできるようになれば,MRONJの発症を減らすことが可能となり,MRONJの解決に大きく貢献できる.
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