研究課題/領域番号 |
21K17155
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
水越 優 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20882731)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歯根膜 / 矯正的歯の移動 / 破歯細胞 / 歯根吸収 / 光変換型蛍光マウス |
研究開始時の研究の概要 |
破歯細胞は矯正的歯の移動の偶発症である歯根吸収を生じさせるが,その由来と分化成熟についての基礎的情報は極めて乏しい.本研究では,過剰な矯正力によって歯根表面に生じた破歯細胞を光変換型蛍光マウスによる細胞追跡法と分化マーカーの発現を解析することにより,破歯細胞の由来と分化成熟過程を明らかにする.加えて破歯細胞の遺伝子発現パターンを網羅的に解析し,バイオインフォマティクス的手法にて特異的なシグナル伝達経路とHUB遺伝子の同定を行う.本研究により破歯細胞の供給/分化成熟動態と破骨細胞との相違点を明らかにすることにより,矯正歯科治療に際しておきる歯根吸収の細胞生物学的な理解と予防法の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では、過剰な矯正力によって歯根表面に生じた破歯細胞を光変換型蛍光マウスによる細胞追跡法と分化マーカーの発現を解析することにより、破歯細胞の由来と分化成熟過程を明らかにすることを目的とした。使用する光変換型蛍光マウスは購入時にヘテロ個体であったため、より強い蛍光強度を得るためにホモ個体で系統維持させるよう繁殖を行った。マウス口腔内に青紫光を照射し歯根膜細胞の蛍光色の変換を試みた。光源から近い表層部の細胞は変換されたが、光源から離れた歯根尖付近の細胞は一部変換されなかった。現在照射条件の検討を継続している段階である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯根吸収は矯正的歯の移動に際しておきる偶発症として代表的なもののひとつであり、発症メカニズムの解明と予防法の確立が急務である。歯根吸収を生じさせる破歯細胞は、破骨細胞と同様に造血幹細胞に由来すると考えられているが、細胞の由来と分化成熟についての基礎的情報は極めて乏しい。さらなる研究が必要であるが、破骨細胞と破歯細胞の類似性/相違点を明らかにすることは、歯根吸収を回避するための方法の探索へと繋がる。期待される研究成果は細胞生物学的エビデンスに基づく矯正歯科学の臨床術式の確立へとつながる研究である。
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