研究課題/領域番号 |
21K17168
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
吉田 寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (20823074)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 神経堤由来細胞 / 骨移植 / 骨再生 / 顎顔面発育 / バイオリサイクル / 口唇口蓋裂 / モデルマウス / 神経堤由来幹細胞 / 遺伝子解析 / 口唇口蓋裂モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
唇顎口蓋裂によって分断された歯列の連続性を獲得するため、就学前後に顎裂部への自家骨移植術が実施される。申請者らのグループは今までに、マウスの神経堤由来細胞が成体の体内各所に未分化な状態で潜伏し頭蓋顎顔面で高密度に局在すること、成体から採取した神経堤由来細胞は骨芽細胞様細胞に誘導できることを報告した。一方で唇顎口蓋裂患者において、肥大や下垂した鼻甲介は鼻閉の原因でしばしば切除されている。本研究課題は、顎裂部骨移植術の新たな基盤技術を作り出すため、唇顎口蓋裂患者の鼻甲介を含む頭蓋顎顔面領域に存在する神経堤由来細胞を利用した、自家骨移植術の代替となり得る骨組織誘導法の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウス頭蓋骨へ人工的に骨欠損を作成し、欠損部へ神経堤由来細胞を含んだ担体を埋入し、12週間の経過観察を行った。神経堤由来細胞を含んだ担体をマウス頭蓋骨へ移植することによって、神経堤由来細胞を含まない担体をマウス頭蓋骨へ移植するよりも修復された骨が既存の骨と類似した性質を持つことを明らかにした。新たな条件設定を検討すべく、臨床的知見から手術法による顎骨への影響を検討したところ、ヒトが対象ではあるものの手術法によって顎骨への影響はほとんど認められないことを報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、頭蓋顎顔面に多量に存在する神経堤由来細胞を用いた骨誘導法を確立することで、唇顎口蓋裂患者への顎裂部骨移植術の開発を行うことを目的としている。本研究に用いる神経堤由来細胞の採取組織は、口唇口蓋裂治療の一連の流れの中で破棄される下鼻甲介から採取することができ、また細胞の十分な量の増殖も期待できる。 頭蓋顎顔面由来の神経堤由来細胞は、低侵襲かつ安全、豊富に採取でき、顎顔面の大半を構成する組織幹細胞群であり、患者自身から採取するため倫理的問題や免疫拒絶反応を回避できる点から、実現可能かつ理想的な細胞ソースと考えられる。
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